平成61994)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

6−共研−61

専門分類

7

研究課題名

疫学研究における食物摂取状況の定量的把握方法に関する研究

フリガナ

代表者氏名

マツムラ ヤスヒロ

松村 康弘

ローマ字

所属機関

厚生省国立健康・栄養研究所

所属部局

成人健康・栄養部

職  名

室長

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

予防医学的観点から、ライフスタイルと健康に関する疫学的研究が種々進展しており、ライフスタイルの中でも食生活の重要性が指摘されている。しかし、コホート研究において食物摂取状況を定量的に把握している研究はまれである。本研究では、特定地域における住民の食物摂取状況を定量的かつ簡便に把握し、疫学的研究に対して有用となる方法の開発及び当該方法を用いるためのコンピュータ・プログラム・システムの開発を目的とする。


三重県度会郡南勢町住民約4800人を対象として、循環器疾患予防に関する疫学的研究を進捗させている。本研究では、当該地域の住民を対象としたコホート研究において、住民の食物摂取状況を定量的かつ簡便に把握し、疫学的研究に対して有用となる質問票を開発し、その調査票を用いた調査を行うことを目的としている。
多くの疫学的研究においては、長期間にわたる食物摂取状況を把握する必要がある。本報告では長期にわたる食物摂取の変動要因とそれが疫学的分析に及ぼす影響、およびそれらの影響の補正に関する文献レビューを行い、本研究で用いる食物摂取調査方法の妥当性を検討したり、調査結果の解釈を行う際の補正方法をどのように応用するかを考察した。
 食物摂取の個人内変動や測定誤差は、疫学的研究における相関、回帰、相対危険などの関連の測定において、その希薄化を生じさせる。このような疫学的な関連の指標の希薄化を、曝露の測定誤差モデルに基づいて補正する様々な方法が提案されている。それぞれの方法は主に古典的測定誤差モデルを基にしているが、近年では一般測定誤差モデルを基にした方法も提案されてきている。しかし、それらの方法の適用には、食物摂取調査法に関する妥当性研究を別途に行い、Calibrationを行う 必要がある。本研究でも、主研究集団の部分標本に対して、食物摂取調査法の妥当性研究を行う必要性が示唆された。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

食物摂取状況を定量的に把握する方法としては、食物秤量法、想い出し法などがあるが、これらの方法には調査者間の偏り、多大な費用、被調査者に対する多大な負担などの理由から、多人数を対象とする疫学的調査には適用できない欠点がある。したがって、多人数を対象としたコホート研究等においては、食物摂取状況を定量的に把握した調査はまれである。
本研究は、三重県度会郡南勢町在住の健常者を対象としたコホート研究において、コホートの内から無作為に抽出した人達の食物摂取調査を1週間にわたって行い、その集計を終え、その結果をもとにして、簡便で、かつ定量的把握が可能な調査票の開発を行っている。
平成6年度は、開発した調査票の信頼性、妥当性の評価を行い、さらにその使い勝手に関しても評価を行う。そのためには、近年の生物統計学の知見が必要とされ、統計数理研究所との共同研究の必要性がある。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

佐藤 俊哉

統計数理研究所

高木 廣文

統計数理研究所