昭和611986)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

61−共研−52

専門分類

7

研究課題名

多次元データ解析の理論と応用の研究

フリガナ

代表者氏名

タナカ ユタカ

田中 豊

ローマ字

所属機関

岡山大学

所属部局

環境理工学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

多次元データを解析するための方法論として数量化法,MDSなどの方法が開発され有効に活用されているが,より深い現象分析のためには新しい方法論の開発,既存の方法論についての理論的研究,適用経験の蓄積が重要である。順序情報のとりあつかい,結果の安定性・信頼性の評価,グラフ表現などを中心に理論と応用の研究をおこなうと同時にコンピュータソフトウェアの開発をはかる。


田中の2回の東京出張,垂水の客員助教授としての定期的な統計数理研究所訪問,学会などの機会を利用した共同研究員の接触を通じて,(1)質的データのカテゴリー間の順序関係に関する研究,(2)多次元データ解析諸法の感度分析に関する研究,(3)多次元データのグラフ表現に関する研究,(4)統計ソフトウェアの開発,など多次元データ解析の理論と応用に関連した研究をすすめてきた。
現在までの成果は駒澤(1987),脇本(1987),馬場(1987),田中・垂水(1986,1987),垂水・田中(1986)などとして公表している。駒澤(1987)では上記(1)に関連して,数量化III類においてカテゴリーの順序関係が空間配置におけるchain構造に対応することを循環器系の集団検診のデータの解析を通じて実証的に研究している。脇本(1987)と馬場(1987)は上記の(2)を扱っている。そのうち脇本(1987)では適合度検定に対してグラフ表現と結びついた新しい統計量を提案し,馬場(1987)は順位のデータをグラフに表現する方法について論じている。いずれも単なる検定ではなく,差の様相を把握することを意図したものである。田中・垂水(1986,1987)垂水・田中(1986)では多次元データ解析における感度分析−−outlierやinfluential observationsの提案−−について議論している。上記の分数では(2)に関するもの,垂水・田中(1986)では統計ソフトウェアSAM−Sensitivity Analysis in Multivariate Methodsの開発について報告している。
1年は共同研究の期間として十分な長さではなかったが,共同研究員の接触を通じてお互いに刺激を受け,それぞれの研究が活性化するという効果があった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究発表
Tanaka,Y.and Tarumi,T.:Outliers and influential observations in quantification theory,
Proc.Japanese−French Scientific Seminar,1987.
Tarumi,T.and Tanaka,Y.:Statistical software SAM(Sensitivity Analysis in Multivariate Methods),
Proc.7th Symp.Computational Statistics,1986.
Komazawa,T.:The methods of pattern classification and its application to prognosis of disease,
Proc.Japanese−French Scientific Seminar,1987.
Wakimoto,K.:A test of goodness of fit based on graphical method,
Proc.Japanese−French Scientific Seminar,1987.
Baba,Y.:Graphical analysis of ranks,
Proc.Japanese−French Scientific Seminar,1987.
Tanaka,Y.and Tarumi,T.:Sensitivity analysis in multivariate methods and its application,
Proc.2nd Catalan Int’l Symp.Statistics,1986.


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

多次元データを解析するための方法論として数量化法,MDSなどの方法が開発され有効に活用されているが,より深い現象分析のためには新しい方法論の開発,既存の方法論についての理論的研究,適用経験の蓄積が重要である。順序情報のとりあつかい,結果の安定性・信頼性の評価,グラフ表現などを中心に理論と応用の研究をおこなうと同時にコンピュータソフトウェアの開発をはかる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

川合 伸幸

  

駒澤 勉

統計数理研究所

垂水 共之

岡山大学

馬場 康維

統計数理研究所

脇本 和昌

岡山大学