平成192007)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

19−共研−4206

分野分類

統計数理研究所内分野分類

f

主要研究分野分類

2

研究課題名

人間乱数と自己組織化マップの診断への応用

重点テーマ

統計科学における乱数

フリガナ

代表者氏名

タナカ ミエコ

田中 美栄子

ローマ字

Mieko Tanaka-Yamawaki(執筆名)

所属機関

鳥取大学

所属部局

工学部知能情報工学科

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

140千円

研究参加者数

4 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

目的:
人間の行動には習慣性の、あるいは意思決定の結果としての、あるまとまった規則的流れの他に必ずランダム性を伴う。人間乱数は人間全体に共通したランダム性の他に、特定の性格を有する人格に特有のランダム性、更には個人の脳の疲労度を数値として示すランダム性、それが極端に増大した場合の精神状態の悪化や病的な状態におけるランダム度の変化を診断指標として用い、認知症の早期診断に使えるソフトを作りたいと考える。そのための基礎研究と、データ収集、診断ソフトのテストなどを行って行く。

成果(経過):
平成19年度は人間乱数の応用を目指し、データ採取の簡易化に重点を置いて新たな方向の研究を行った。データ採取に対する被験者の抵抗感がネックであると考えられるからである。そこで近年普及の著しい携帯電話の画面を利用してできるだけ短いデータを採取し、その場で携帯メールを用いて送る、という形での人間乱数を用いる方法について考察と実験を行った。従来の乱数の概念とは異なるが、「画面上に並ぶ逆テンキー(1-9の数字を3×3に並べたもの)をそれぞれ一回ずつ、ランダムな順番に押す」、というタスクを被験者に課し、得られたデータから特徴抽出と乱数度の測定を行い、使えるデータとなっているかどうかを検証した。このようなデータの対する、特徴抽出、乱数度の計測方法、ともに確立した方法は存在しないので、試行錯誤的にいくつかの可能性を試した。この研究は今後も継続予定であるが、経過と得られた結果の一部を本重点研究「経済学における乱数」の第一回研究会を含む、国内外の3つの研究会で報告した。
-田中美栄子「人間乱数の特性解析と応用」統計数理研究所研究会(2008年1月5日)共研リポート収録
-田中美栄子、榎本良太「逆テンキー方式による短い人間乱数」情報処理学会数理モデルと応用(MPS)研究会 (Kyoto, May 15, 2008), ipsj 2008
-Mieko Tanaka-Yamawaki, “Human Random Generation and Its Applications”, ICSOFT2008 (Port, Portugal、July, 5-7, 2008)

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

淡路 啓太

鳥取大学

田村 義保

統計数理研究所

徳高 平蔵

SOM-JAPAN