平成21990)年度 共同研究集会実施報告書

 

課題番号

2−共研−26

専門分類

3

研究課題名

時系列解析の研究

フリガナ

代表者氏名

オカモト マサノリ

岡本 雅典

ローマ字

所属機関

福山大学

所属部局

経済学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

34 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

時系列解析の研究においては,すでに統計数理研究所の赤池弘次所長,尾崎統教授ら多数の研究者が応用との接点において強力に研究を推進して来ている。これらの方々と,日本の他の大学等においてこの分野の理論的な研究を進めている研究者や工学,経済学,自然科学等種々の応用分野の研究者が集って広い角度から互いに情報やアイデアの交換を行うために研究集会を持ちたい。その際,理論及び応用共に今後の発展が期待される多変量時系列解析の諸問題や時空間時系列の応用面での実例の提示とそれに対する討論を含めたい。この研究会を持つことにより理論を主とする研究者に新しい研究関心を提供し,応用を主とする研究者に理論的展望を与え,両者相補ってこの分野の研究のさらなる発展を計ることを目的とする。


表記の研究課題に関し,共同研究者がそれぞれの立場から研究に取り組み,その成果を持ち寄る形で,平成2年10月22日(月),23日(火)の2日間に統計数理研究所セミナー室において研究会を開催した。まず当研究課題の基礎的面と実際的応用面に関連し,研究の動向を学習するため,吉田氏が統計的漸近理論における拡散過程の母数推定問題について総合報告を行い,酒井氏は計算機科学に関連し最小2乗法の並列計算について解説された。次に共同研究者がそれぞれの立場から行った研究の交流においては,ベイズモデルによる線形フィルターの特性に関する考察,定常性と単位根に関する仮説検定に対するベイズ流の接近が報告され,多変量時系列に関連して2変量時系列間の相互作用の周波数領域での尺度とその統計的検定に関する新しい提案がなされ,時系列モデルの構造と予測に関してMAモデルにおける同定を誤ったときの効果に関する考察,指数平滑法に関する議論,MAモデルの反転不可能の場合のパラメーター推定問題の考察がなされた。
計量経済学の分野では正の相関をもつ説明変数の回帰モデルを時間的に集計した場合の漸近的偏りとLSEの平均2乗誤差に関する考察,金融資産変動分析について新しい知見と理論的モデルの提案がなされた。最後に長期記憶時系列の発生とその最大値分布に関するシミュレーションの結果が報告された。
以上いずれの研究報告も大へん興味深く,出席者からそれぞれに多くの質問や意見が出され,お互のアイディアの交換が有効に行われた。この研究会の内容は統計数理研究所共同研究リポート−26としてまとめられている。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

当研究課題に関連する研究成果は
統計数理研究所共同研究リポート26
「時系列解析の研究」
(確率過程の母数推定問題と時系列の推測)
にまとめられている。
またいくつかの成果は,日本統計学会,日本数学学会等において口頭発表する予定であり,日本統計学会誌,Annals of the Institute o Statistical Mathematics.Journal of Time Series Analysis等に投稿予定である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

荒畑 恵美子

統計数理研究所

石黒 真木夫

統計数理研究所

尾形 良彦

統計数理研究所

尾崎 統

統計数理研究所

小滝 光博

広島大学

刈屋 武昭

一橋大学

川島 弘尚

慶應義塾大学

北川 源四郎

統計数理研究所

国友 直人

東京大学

近藤 正男

鹿児島大学

酒井 英昭

京都大学

茂野 洋志

     

柴田 里程

慶應義塾大学

杉原 左右一

関西学院大学

竹内 啓

明治学院大学

竹内 惠行

大阪大学

田中 勝人

一橋大学

田中 稔

専修大学

谷口 正信

大阪大学

田村 義保

統計数理研究所

佃 良彦

東北大学

豊岡 康行

福島大学

中野 純司

統計数理研究所

中村 博和

佐賀大学

西尾 敦

明治学院大学

樋口 知之

統計数理研究所

藤井 光昭

大学入試センター

細谷 雄三

東北大学

前川 功一

広島大学

宮里 義彦

統計数理研究所

矢島 美寛

東京大学

山本 拓

一橋大学

和合 肇

新潟大学