平成クオ1989)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

クオ−共研−47

専門分類

5

研究課題名

組合せ理論と確率分布論

フリガナ

代表者氏名

シブヤ マサアキ

渋谷 政昭

ローマ字

所属機関

高千穂商科大学

所属部局

商学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

1.スターリング確率分布族について調べてきたが多変量の場合に拡張する。特にk種の〓の占有分布を議論する古典的な壷と〓のモデルをランダムな対応として見直す。
2.Bonferroni不等式の組合せ論的特徴を新たな観点より見直す。
3.その他組合せ論的な確率分布とその応用を考察する。


‘2種の〓による占拠問題’,あるいは‘2グループ間の誕生日問題”について前の年度に研究し,その動機となった‘電子郵便のディジタル署名を破る中間会合法の成功確率’の定式化をまとめたが,何回かの修正の後にようやく暗号学(cryptology)のもっとも中心的な雑誌に採択された。暗号学である程度浸透していた基本概念である‘birthday effect’の基礎モデルを批判し訂正するもので,査読者が2度も変わるなどのことがあり年月を要した。
‘有限集合の確率的分割’という,多分新しい概念が本年度の主要テーマであったが,その最初の成果として,‘単純一様確率抽出法’に対応する‘単純一様確率分割’とでも呼ぶべきものが‘非弾性衝突によって生じるクラスター’という簡単なニュートン力学模型の下で実現することを示した:
直線上に有限個の質点がある。その質量と位置は任意である。ただしその初速度の同時分布が球面一様的である(spherical)ことだけを仮定する。2質点が衝突すると1質点となり質量,運動量を保存する。つまり完全非弾性である。すると有限時間内に衝突は終了し,後は無限にクラスター(元の質点がいくつか合併した質点)が拡がる。元の質点のクラスターへの分かれ方(この場合にはむしろ集まり方)が単純一様確率分割となっている。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1.“Probability to meet in the middle”,J.Cryptology(1990)No.2 to appear Kazuo Nishimura and Masaaki Sibuya
2.“Equipartition of particles forming clusters by inelastic collisions”Physica A (1990) to appear
Masaaki Sibuya,Toshio Kawai and Koichiro Shida


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

1.渋谷,伊藤が知識と技量を補って共同研究の実をあげている。
2.組合せ論的側面について筑波大の2人と接触して議論を重ねている。
3.統計数理研究所の計算機上でソフトウェアの開発を行っている。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

伊藤 栄明

統計数理研究所

神保 雅一

岐阜大学

西村 和夫

駒澤大学

藤原 良叔

筑波大学