昭和601985)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

60−共研−9

専門分類

1

研究課題名

複雑な構造をもつ統計モデルにおけるデータ縮約問題

フリガナ

代表者氏名

クボキ ヒサタカ

久保木 久孝

ローマ字

所属機関

電気通信大学

所属部局

電気通信学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

7 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

近年,複雑な構造をもつ統計モデルでの,Sufficiency,Ancillarityなどに対し,様々な概念が導入され,標記テーマに関係する研究がさかんになってきている。本研究では,その動向を調べ,解決すべき問題の所在を明らかにし,その解決をめざす。


我々のグループでは,次の意味で複雑な構造を持つ統計モデルを研究の対象とし,セミナー形式で討論を重ねてきた:
・観測構造が複雑な場合;
・モデルを表現するパラメータの構造が複雑な場合。
その結果,前者については次のような問題の所在が明らかになり,更に研究・討論を続けて行くことになった:
・Dynkinの導入したH−sufficiencyの概念と,一致推定量の存在条件との間の関係;
・Mauldinらによるorthogonal transiition kernelsと上記問題との関係;
・Bayes推定量の一致性の問題を,H−sufficiencyの立場から論じること;
・H−sufficiencyの概念と,Choquetの定理との関係;
・Dynkinの理論とモデル構成の理論との関係。
後者については,
・原モデルの可微分構造のサプモデルへの遺伝性の問題;
・情報論的視点からのアプローチの有効性の検討
などの問題提起があり,2,3の結果が得られた。
なお,今後の研究に資するよう,今回の共同研究の過程で得られた問題や知見などをまとめ,研究ノート:
統計数理研究所共同研究リポートFS−1
『複雑な構造をもつ統計モデルにおけるデータ縮約問題』
を作成した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

山田作太郎:pivotal測度と対十分核
(1986春 数学会発表)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

複雑な構造をもつ統計モデルとは,
・dominated caseでない統計モデル;
・parametricに複雑な構造をもつ統計モデル,
などである。このようなモデルの下でのデータ縮約問題−Ancillarity,Sufficiencyの問題−は,重要な未解決問題を多く含んでいる。我が国では,例えば,左記のメンバーが個別にこの問題に取り組み,それぞれ成果を発表してきている。当研究所に共同研究システムができるこの機会に,これらのメンバーが集まり,それぞれの成果をたたき台に,解決すべき問題の所在,新しい研究の方向をさぐるべく,討論することは意義がある。ぜひ,それを実現したい。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

草間 時武

早稲田大学

清水 良一

統計数理研究所

鈴木 武

早稲田大学

松崎 奈岐

新潟国際情報大学

三田 晴義

聖心女子大学

山田 作太郎

東京水産大学