平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−81

専門分類

7

研究課題名

事前情報と標本

フリガナ

代表者氏名

コバヤシ マサヒロ

小林 雅裕

ローマ字

所属機関

金沢経済大学

所属部局

経済学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

標本抽出を行うとき利用可能な事前情報によって,得られる標本の精度は大きく影響される。標本抽出で事前に利用できる情報,あるいは分析せねばならない情報を,特に農業統計の「農家経済調査」といくつかの作目の「生産費統計調査」を事例として,その内容と程度を特定し評価する理論に接近する。


農業統計調査を事例にして、標本抽出での補助変量の選択に関していくつかの問題を提起した。
1、 調査設計のさいに標本調査法の単純な応用は不適当である。特に経済調査においてはある規模概念を用いる調査、例えば企業では資本金や従業員規模、農業では耕地規模等を補助変量として標本抽出するのが一般的であるが、単純に規模だけで抽出を行うと代表標本が得られないこともある。
2、 事例として米生産費調査の調査農家抽出までの過程を論じ、層化二段抽出法を用いるこの調査で無作為抽出法の持つ利点に多くの制限を加えることは、標本農家の代表性に問題がでることを明らかにした。規模を補助変量として抽出された米生産費調査農家の生産費は、規模に関してばらつきが大きいことを示して、標本農家の代表性について明らかにした。適当な補助変量を用いればその変量に対して観測値は順序よく並ぶ。標本調査で補助変量を用いて抽出した標本の特性は、その補助変量に規定されるということの一例を明らかにした。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

小林 雅裕「標本調査」、『現代統計学を学ぶ人のために』吉田 忠編、世界思想社、1995年10月20日。
小林 雅裕「標本調査における抽出基準としての農家規模について」、『国際時代の地域農業の諸局面』農林統計協会、1996年
3月18日。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究の実施は,主に研究者が統計数理研究所に出向き研究会を持ち,研究所の多くの資料と計算機を利用する形態で遂行する。研究のための調査資料は,研究代表者が準備し適宜連絡と郵送し意見を交換する。また,研究と実態との対応をみるために,農業統計ばかりでなく他のいくつかの経済統計についての実態調査も行う。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

田口 時夫

東京経済大学

田中 力

立命館大学

丸山 直昌

統計数理研究所

吉田 忠

大阪工業大学