昭和611986)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

61−共研−4

専門分類

1

研究課題名

統計と物理の接点における基本問題の研究(II)

フリガナ

代表者氏名

マツナワ タダシ

松縄 規

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計基礎研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

12 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

統計及び物理の基礎概念に係わる基本問題について,前年度に引続いて,両分野の共通な数理としての統計基礎理論の発展への寄与を目的として,以下の研究を行なう:
観測の問題,確率過程量子化の問題,具体的な物理現象に於ける確率過程,統計に於けるエントロピーの役割りとその物理的意味の解釈。これらを研究するに当り,統計理論の具体的な意味付けを行なう事も重要な研究目標である。


次の諸点を中心に共同研究を実施した:
i)確率過程量子化について,その物理的意味の把握と,確率・統計サイドからの検討を行なった。
ii)物理現象にかかわる確率過程について研究した。摩擦と揺動散逸定理に従うランダムな力を考慮するLangevin方程式とブラウン運動のシンプルモデルの間の関係を調べた。また,ナイキストの定理をインピーダンスで定式化し,定常過渡状態に於てランダムな雑音を持つ電気回路の問題等の考察をした。更にFokker−Planch方程式による確率過程の表現等について検討した。
iii)情報量とエントロピーについて,物理及び統計サイドから考究し,関係する安定問題等に関する研究をした。
本課題研究を通じての物理と統計の研究者の交流は非常に意義のあるものであった。違った視点から問題を捉えていても,本質的には両分野が密接に関連しているという事実をかなり認識できたこともプラスであった。具体的成果はむしろ今後を待ちたいが,若干の結果は別項の通りである。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1)並木美喜雄(1986)「物理における確率過程」統計数理第34巻第2号;PP.303−325.
2)斉藤武(1986)「Quantum Langevin Equations’Studia Human et Naturalia,No.20,PP.1−7.
3)松縄規(1987)Information,Entropy and Statistics,(unpublished monograph).


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

統計及び物理の基礎概念に係わる基本問題について,前年度に引続いて,両分野の共通な数理としての統計基礎理論の発展への寄与を目的として,以下の研究を行なう:
観測の問題,確率過程量子化の問題,具体的な物理現象に於ける確率過程,統計に於けるエントロピーの役割りとその物理的意味の解釈。これらを研究するに当り,統計理論の具体的な意味付けを行なう事も重要な研究目標である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

伊藤 栄明

統計数理研究所

柏木 宣久

統計数理研究所

久保木 久孝

電気通信大学

斉藤 武

京都府立医科大学

鈴木 尚通

松商学園短期大学

高橋 宏一

石巻専修大学

田辺 國士

統計数理研究所

種村 正美

統計数理研究所

田村 義保

統計数理研究所

並木 美喜雄

早稲田大学

馬場 康維

統計数理研究所