平成51993)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

5−共研−73

専門分類

7

研究課題名

Ecological Bias と因果推論

フリガナ

代表者氏名

サトウ トシヤ

佐藤 俊哉

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

領域統計研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

Ecological Studiesから相対リスクを推定する際にEclological Biasと呼ばれる特有のバイアスが存在することが知られているが、因果推論のためのcounterfactual modelを用いてEcological Biasが起こる理由を明らかにする。


本研究では、まず、Ecological Biasが発生する機構についての理論的論文のレビューを行った。その結果、1.Ecological Biasはコホート研究やケース・コントロール研究でのバイアスのアナロジーではない、2.Ecological Studyの交絡や効果の修飾の考え方は、コホート研究、ケース・コントロール研究とは異なる、3.したがって、通常用いられているバイアス除去の方法ではEcological Biasを除去できない、ということが判明した。
続いてEcological Studyとの対比のため、コホート研究、ケース・コントロール研究では交絡と効果の修飾はどのように考え、どう対処すべきかを因果推論の立場からまとめた。これにより、個人レベルの研究とEcological studyとの相違点を明らかにすることができた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

佐藤俊哉、疫学研究における交絡と効果の修飾、統計数理、第42巻(掲載予定)

佐藤俊哉、効果の修飾の検定について、日本公衆衛生学会、1993年10月22日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

地域データから相対リスクの推定を行おうとするEcological Studiesには特有のバイアスがあることが知られているが、パーソナルコンピュータ上のグラフィックソフトウェアの発達によりEcological Studiesの実施はますます容易になり、実際に手軽に行われ研究発表されている例が目につく。
最近になってEcological Biasは個人レベルのコホート研究やケース・コントロール研究と異なった発生機構で起きることが判明してきた。このようなEcological Studiesの限界を理論的に明らかにしていく予定である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

中井 里史

横浜国立大学

新田 裕史

国立環境研究所

本田 純久

長崎大学