昭和631988)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

63−共研−35

専門分類

5

研究課題名

セル・オートマトンの統計的性質

フリガナ

代表者氏名

カネコ クニヒコ

金子 邦彦

ローマ字

所属機関

東京大学

所属部局

教養学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

7 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

前年度にひきつづき,自由度の大きなシステムのモデルとして,セル・オートマトンおよびセル力学系一般を研究する。
具体的には,
(i)これらの系に普遍的に見られる新しい現象を探索し,乱流や生態系における具体的な事実と結び付けること。
(ii)これらの系を統計的に特徴付ける方法を見い出すこと
などを目的とする。


セルオートマトン及び結合写像系について計算機実験による研究を行った。
前年度からの研究に加えて,以下の試みを新しく行った。
・空間的相関を持った外場を含む「tanh型」の結合写像系における準安定状態と強磁性的状態について研究した。また画像処理との関連について考察した。
・確率的セルオートマトンの逆問題,特にnステップ目と規則を知ってそれ以前の状態を推定する問題を考えた。メトロポリス法を用いて事後分布を生成する方法を試みたが,規則によっては非常に難しいことがわかった。
この共同研究は今年度で一応終了するが,セルオートマトン,結合写像系といったテーマには重要な問題が多く残されているので,次年度以降にもっとテーマをしぼった形で復活させることを計画している。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

前年度は生態系モデルなどへのセル・オートマトンの応用を研究した。
また,セル力学系において新しい現象をいくつか見い出すことができた定量的な方向としては,前者では時系列モデルのシュミレーションの解析への応用,後者ではパターンの情報理論的解析などを試みた。
今年度は以上の方向をさらにすすめるとともに,保存則をもつ系の研究,離散モデルと連続モデルの関係の研究も行いたい。
これらの非線型性の強い系においては,理論的アプローチには限界があり,発見法的なシュミレーションが,重要な手段となっている。
このため,統数研の大型計算機,ワークステーションを利用して計算を行いたい。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

伊庭 幸人

統計数理研究所

小西 哲郎

名古屋大学

島田 一平

日本大学

武末 真二

学習院大学

田村 義保

統計数理研究所

西川 郁子

京都大学大学院