平成16（2004）年度　一般研究１実施報告書

課題番号	16−共研−1018	専門分類	8
研究課題名	生産関数の特定化に関する統計的推測
フリガナ 代表者氏名	カワサキ　ヨシノリ 川崎　能典	ローマ字	Kawasaki Yoshinori
所属機関	統計数理研究所
所属部局	予測制御研究系
職　　名	助手
所在地
TEL		FAX
E-mail
URL

研究目的と成果（経過）の概要

統計数理研究所契約のデータベース（Aurora DataLine）を利用して有価証券報告書のデータを収集し分析を行った。本研究課題の目的は企業ベースでの生産関数に関する統計解析である。本年度は1965年から2001年の製造業・非製造業の東証一部上場企業を分析対象とし、各種投資と経済成長との関係を表現する生産関数の特定化に関する統計的推測を行った。
経済学において生産関数は、汎用性が高く理論・実証両面において重要なトピックである。しかし標準的に用いられる関数型はごく限られており、考案されて数十年以上経過する。よって、本年度は従来型生産関数の関数型の再評価を中心に行った。第一に、標準的なトランスログ型生産関数に高次項も考慮してノンパラメトリック検定を行い、従来型生産関数の関数型の評価を行った。
第二に、検定結果に基づき生産関数に対してノンパラメトリック法による統計的推測を行った。これにより既存の関数型が検定によって棄却された場合、生産関数がどの様な非線形性を有するのかを明らかにし、生産関数のモデル構築にセミパラ・ノンパラメトリック法を応用することの必要性を示した。また、各年で一般化加法モデルを推定し、得られたノンパラメトリック回帰関数の形状から、非線形効果がどのような企業群に起因するかの特定化を試み、応用分析として倒産企業の非効率性分析を行った。
以上の成果として作成した共著論文「生産関数のノンパラメトリック統計解析」が『応用統計学』に掲載された。また、定式化の誤りに関するノンパラメトリック型検定の発展形として、局所対立仮説に対してもnontrivialな検出力を持つような、時系列間の因果性検定(Grangerの意味での)に関する研究も行った。

当該研究に関する情報源（論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等）

論文

小西葉子(2004)「わが国における地域別社会資本投資の生産性と効率性」条件付採択のため修正中
（査読中）
小西葉子，西山慶彦，安道知寛，川崎能典 (2004)「生産関数のノンパラメトリック統計解析」，
応用統計学, Vol. 33, No. 2, 157-179．

研究会・セミナー等での口頭発表

人見光太郎・奥井亮・川崎能典・西山慶彦, 「A Nonparametric Granger Causality Test」, 科研費研究集会「時空間点過程の推測理論と応用」，鹿児島県市町村自治会館(鹿児島市)，2004年11月5日．

小西葉子，「生産関数の特定化に関するノンパラメトリック統計解析」，計量経済ミニコンファレンス，京都大学経済研究所，2004年12月22日．

Konishi, Y., A Duration Analysis of Salon Consumer's Behavior, International Conference on Recent Development of Statistical Modeling in Marketing − Latent Variable and Latent Structure Approach, The Institute of Statistical Mathematics, Tokyo, December 1, 2004.

小西葉子，「A Duration Analysis of Salon Consumer's Behavior」，平成16年度（第12回）関西計量経済学研究会，広島大学東千田キャンパス，2005年1月9日．

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究参加者一覧
氏名	所属機関
安道　知寛	東京大学
小西　葉子	日本学術振興会(研究従事機関：京都大学大学院経済学研究科)
西山　慶彦	京都大学