平成172005)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

17−共研−2022

専門分類

2

研究課題名

構造化データの確率的統合に関する研究とその遺伝情報処理の応用

フリガナ

代表者氏名

フクミズ ケンジ

福水 健次

ローマ字

Fukumizu Kenji

所属機関

統計数理研究所

所属部局

モデリング研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究では、遺伝情報処理などでよく現れる、遺伝子や蛋白質のネットワーク
といった系列データやグラフ構造など特定の構造をもったデータに対して、その
処理と適切な統合方法を確立することを目的とした。本共同研究では、以下に述
べる2つの課題に関して基礎的な検討を行い、部分的な結果を得た。
 まず、複数の構造化データを統合する方法として、カーネルヒルベルト空間を
用いた非線形相関構造の抽出に基づく方法を検討した。その結果、回帰に基づく
方法を用いることにより、従来の相関分析とは異なる構造抽出法の着想を得た。
カーネルを用いる方法では、カーネルに含まれるハイパーパラメータを決定する
ことが重要な課題であるが、考案した手法では、クロスバリデーションを効率的
に計算することによりハイパーパラメータ選択が可能であることが大きな利点で
ある。考案した手法は小規模な問題では効果があることを確認しているので、今
後、異種の遺伝情報の統合問題への適用を予定している。
 次に、ネットワークの推定を行うための実験計画に関して検討を行った。遺伝
情報の採取の際には実験コストが無視できないため、効率的な実験計画を立てて
実験を行うことは結果の精度を高める上で非常に重要な課題である。本研究では、
ネットワークの構造推定を効率的に行うことを目的としたデータの最適採取法に
関して基礎的な方法の検討を行った。その結果、有望な方向性を見出し、現在そ
の詳細な検討を行っている段階である。本課題に関しては共同研究を継続し、方
法の改良と現実的な問題における有効性の確認を行っていく予定である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

本研究期間の中では基礎的な検討が主であり対外的な発表はまだ行っていないが、現在進行中の
研究の成果は順次以下のメンバーのホームページなどで公開していく予定である。
http://www.ism.ac.jp/~fukumizu/
http://www.neurosci.aist.go.jp/~akaho/welcomej.html
http://www.kyb.tuebingen.mpg.de/main/staff.php?user=tsuda

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

赤穂 昭太郎

産業技術総合研究所

津田 宏治

産業技術総合研究所