平成5（1993）年度　共同研究Ａ実施報告書

課題番号	5−共研−95			専門分類		8
研究課題名	源氏物語の計量分析
フリガナ 代表者氏名	ムラカミ　マサカツ 村上　征勝			ローマ字
所属機関	統計数理研究所
所属部局	領域統計研究系
職　　名	教授
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配分経費	研究費	0千円	旅　費		0千円		研究参加者数	7　人

研究目的と成果（経過）の概要

源氏物語は、平安時代文献の中でももっとも多くの異なり語を持つ物語であり、量的にも質的にも平安時代日本語の宝庫といえる。
本研究は、源氏物語を、統計的手法を用いて言語的特徴を計量分析し、現在まで未解決のまま至っている著者複数説や、成立課程における後期挿入説etcを検証していくと同時に、他の平安期文献にも応用できる方法を確立し、平安期日本語の特徴を明確にしてゆくものである。


源氏物語の各巻における各品詞の使用頻度、接続関係、文の長さ、和歌の使用率などの各種の文法情報を用いた計量分析によって、現在まで未解決のままに至っている著者複数説や、成立過程における後期挿入説などを検証していくことを主たる目的として研究を続けている。
研究３年目の今年は、前年度に作成した単語分割済み品詞情報付きデータベース（約38万語）の総点検を行い、このデータベースを語彙用例索引の形で出版する準備を行った。また本研究に必要となる「紫式部日記」などのデータべースの作成を行った。

当該研究に関する情報源（論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等）

上田裕一、上田英代、村上征勝、源氏物語の計量分析のためのデータベース作成 人文学と情報処理　No.２ 1993年９月

上田裕一、上田英代、村上征勝、「源氏物語大成」のフルテキストデータベース、情報知識学会、1993年５月
村上征勝、上田裕一、上田英代、樺島忠夫、源氏物語の計量分析、日本行動計量学会 1993年９月
上田裕一、上田英代、樺島忠夫、村上征勝、「源氏物語大成」と本居宣長「手枕」の計量分析比較、国語計量学会 1993年９月
上田英代、上田裕一、樺島忠夫、今西祐一郎、村上征勝、源氏物語のデータベース作成と計量分析 第５回「国文学とコンピュータ」シンポジウム、1993年12月
岩本 渉、上田裕一、上田英代、樺島忠夫、今西祐一郎、村上征勝、「源氏物語」の計量分析−単語の出現頻度の分析− 第６回文献情報のデータベースとその利用に関する研究会、1994年３月
上田裕一、安永尚志、品詞情報付き「源氏物語大成」データベースを利用した「源氏物語（日本古典文学大系）」の自動品詞付け、第６回文献情報のデータベースとその利用に関する研究会、1994年３月
上田裕一、上田英代、樺島忠夫、今西祐一郎、村上征勝、仲川隆弘、古文の用語索引に関する基礎的研究、第６回文献情報のデータベースとその利用に関する研究会、1994年３月

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

源氏物語の各巻における各品詞の使用頻度、接続関係、文の長さ、和歌の使用率などの各種の文法情報を用い、計量的な特徴を把握するため平成３年より研究を開始した。３年目の今年は、前年度に作成した単語分割済み品詞付きのデータベースの総点検を行い、より正確なデータベースの完成をめざす。
それを利用した各種単語の出現率、各品詞の接続関係等々の情報を計量分析し、著者複数説、後期挿入説に対する一つの解答を出して行く。更に「紫式部日記」のデータ入力、校正、分かち書きetcを行い、併せて考察する。又、この作業の過程で開発される言語検索システムは、日本語文献全般にわたり、広く活用可能なものである。

研究参加者一覧
氏名	所属機関
今西　裕一郎	九州大学
上田　英代	古典総合研究所
上田　裕一	もとぶ野毛病院
樺島　忠夫
岸野　洋久	東京大学
Jin　Ming-Zhe	札幌学院大学