平成61994)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

6−共研−48

専門分類

6

研究課題名

地殻変動観測データのための時系列解析手法の開発

フリガナ

代表者氏名

ニシマエ ユウジ

西前 裕司

ローマ字

所属機関

気象庁

所属部局

精密地震観測室

職  名

研究官

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

7 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

地球潮汐解析プログラムBAYTAP−Gは、地殻変動データのトレンドの推定、並行観測データとの応答を見積もることができるなど、地殻変動解析には非常に有効なプログラムであるが、さらに降水の影響を見積もることができ、リアルタイム処理も可能な解析手法を開発する。


気象庁精密地震観測室(旧:気象庁地震観測所)における伸縮計、水管傾斜計による地殻変動観測は、並行して気圧・気温・降水量等の気象要素だけでなく、坑内に落下する水滴の量や坑内の井戸の水位の計測を行っている。そこで地殻変動の観測記録を詳細に検討し、気圧や気温、降水量などの影響がどのように現れているかを定量的に評価し、各要素の効果に対するモデルを開発すれば、中・長期的地殻変動の把握に役立てることができる特に、計算が高速にすむ手法を用いれば、リアルタイムでの処理が可能になり、大きい地震のプレスリップによる歪変化などの異常があれば、すばやく検知できることが期待される。                 
今年度は南北・東西2成分の伸縮計記録から、面積歪を計算し、この面積歪に対する降水、気圧、気温の効果を状態空間モデルにより検討した。その結果、降水量だけでは、降水の影響を状態空間モデルでは十分表現できないことがわかった。そこで、歪変化と相関のよい坑道内に落下する水滴の量を入れたモデルを用いると降水の影響をある程度評価できることが判明したが、さらに非線形の効果を含めたモデルを開発する必要がある。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

松浦律子,西前裕司,尾形良彦,檜皮久義,涌井仙一郎,青木元,北川源四郎,
松代地震観測所における地殻変動観測記録の状態空間モデルによる検討,
地球惑星科学関連学会1995年合同大会,
1995年3月28日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

当所の地殻変動データ(伸縮計、傾斜計)には、降水を始め、気象環境の影響が現れている。そこでこれらの影響を見積もり、真の地殻変動の信号を抽出することのできる時系列解析手法を開発する。また、地震予知の目的から、地殻変動をリアルタイムで監視することが望ましいので、リアルタイム処理が可能なプログラムを開発する。これらの開発には統計的解析手法、時系列解析手法の開発の実績を持つ貴所との共同研究を実施するのが効果的である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

青木 元

気象庁

尾形 良彦

統計数理研究所

北川 源四郎

統計数理研究所

桧皮 久義

地震観測所

松浦 律子

地震予知総合研究振興会

涌井 仙一郎

気象庁