平成162004)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

16−共研−2013

専門分類

2

研究課題名

JAVA技術を活用したe-statistical system Jaspの機能拡張

フリガナ

代表者氏名

コバヤシ イクノリ

小林 郁典

ローマ字

Kobayashi Ikunori

所属機関

徳島文理大学

所属部局

工学部

職  名

講師

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

われわれの研究の目的は、これまで研究されてきた計算機統計学の成果と近年のコンピ
ュータ技術の成果を導入した新しいタイプの統計システムを開発し、計算機統計学の実践
のためのより優れた環境を広く提供することである。このために、われわれは、Javaを開
発言語とした汎用統計解析システムJaspを開発している。
 平成16年度の共同利用研究では、これまでに開発してきたJaspの能力を利用して、デ
ータ解析のための具体的な機能をJasp上に実現することを目標とした。具体的には、(1)デ
ータマイニングをより手軽に利用できる環境の整備、(2)教育向けにユーザインタフェー
スを調整できる機能の追加、(3)統計モデルをシステム上で表現する機能の設計、の3点
である。
 (1)については、Jasp上でデータマイニングの代表的な手法とその結果の視覚化のため
の統計グラフを実装した。これにより、統計手法だけでなくデータマイニング手法も同一
解析環境で解析データに適用できるようになった。また、データマイニング手法により得
られた結果の有用性を統計的に検証することも可能になった。さらに、Jaspのもつ分散処
理機能を用いてデータマイニング手法の計算時間を短縮させる試みも実現可能になった。
(2)については、Jaspのプログラム機能を利用して、教育用の操作メニューを利用者に応
じて作成できるようにした。(3)については、どのようにJasp上で数式をそのままの形式
で扱えるようにするのかを議論した。Rなどの他のモデル記述可能なプログラミング言語
を参考に設計と実装を進めている。
 われわれは、これらの研究・開発についていくつかの成果を報告することができたが、
今後も引き続き開発を進める必要があると認識している。開発したシステムは、インター
ネット上において無料で公開している。URLについては次のページを参照してほしい。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Nakano,J.,Yamamoto,Y.,Kobayashi,I.and Fujiwara,T.(2004).Using a statistical
system Jasp for basic statistical education.Proceedings of the Spring Conference of
Korea Statistical Society,pp.305-306,Chonbuk National University,Korea.
Yamamoto,Y.,Nakano,J.,Kobayashi,I.and Fujiwara,T.(2004).Parallel Computing in a
Statistical System Jasp,Proceedings in Computational Statistics 2004,pp.2003-2010.
小林郁典,中野純司,山本由和,藤原丈史(2004)。統計解析システムJaspのデータマイ
ニング機能の利用。日本計算機統計学会第18回大会論文集,pp.143-146。
山本由和,中野純司,小林郁典,藤原丈史(2004)。統計解析システムJaspのユーザイン
タフェースの拡張について。2004年度統計関連学会連合大会論文集,pp.25-26。
藤原丈史,中野純司,小林郁典,山本由和(2004)。統計解析言語における数式表現の利用。
日本計算機統計学会第18回シンポジウム論文集,pp.107-110。
開発をしたJaspは以下で公開している。
http://jasp.ism.ac.jp/

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

中野 純司

統計数理研究所

Huh,Moon Yul

(韓国)成均館大学

藤原 丈史

東京情報大学

山本 由和

徳島文理大学