昭和621987)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

62−共研−78

専門分類

7

研究課題名

あいまい情報に基づく最適区間推定問題

フリガナ

代表者氏名

オオノ ユウコ

大野 優子

ローマ字

所属機関

(財)東京都神経科学総合研究所

所属部局

社会医学研究部

職  名

主任研究員

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

罹病期間など生存時間データに伴うあいまいさは,主に観察実施上の回数・間隔の精密化の制約による事象生起時の特定化困難に起因する。本研究では,統計的手法に基づく情報修復理論の構築を試み,あわせて実データによる数値解析を行う。また,検査・計測値などのデータに伴うあいまいさは,測定誤差・個人変動に起因するが,正常・異常の判別にそれら不確定性要因を導入する一般的手法はない。この問題については,臨床データを基に,数値シミュレーションによる統計的アプローチを行う。


箸發亡凝搶臙佑?樟??妨詐?靴討い?海箸?┐気譴拭2?檀瑤砲?い討蓮ぃ戞瓠檻亜ィ娃后滷腺韮邸棕苅院ィ欧撚鶺△気譴拭N彎欧砲?韻訐犠鑒楼呂寮瀋蠅鮃洋犬掘ぃ苅虻侈に?粒涜?蠹世砲?韻覦焚治坑機鹵佑鮴瀋蠅靴燭箸海蹇じ什瀘彎嘉?棒犠鐫誘劼慮続Δ箸気譴討い襦泯僑筍対場により飛躍的に精密さを増したが,測定結果の正常・異常の判定には「正常視野」の知識が不可欠である。網膜の光識別感度閾値は経年的に変化することは良く知られているが視野感度への加齢影響については殆んど調べられていなかった。本研究では正常者(矯正視力1.0以上,細隙灯顕微鏡にて前眼部中間透光体に異常なし,検眼鏡的に視神経乳頭に異常なし,屈折異常は±3D以内,眼圧〓20mmHg,家族歴に緑内障なし,糖尿病高血圧等全身疾患なし)10歳〜82歳,各年代20名以上について視野測定を実施した。測定にはHumphrey Analyzer Model 620・63Dを用い,6°間隔に固視点から30°以内に76点と中心窩を含めて77点の感度閾値を測定した。解析対象は151例191眼中,short term fluituation 2.5dB以内,fixation loss〓20% false positive〓10%,false negative〓10%の基準を満たす108例147眼である。各測定点ごとに年齢との関係をみると,全観察点において一般に感度閾値は加齢とともに低下している。しかし,低下傾向は一定でなく40歳前後より急峻になっていた。そこで,両者の関係を1.1次回帰(線型)モデル2.非線形(constant→直線下降)モデル3.非線形(constant→2次軌線下降)モデルの3連にて解析した。その結果,全測定点において,最小2乗法によるあ
これらの周辺部では眼瞼の影響が視野等感応検査の特性に現われることが知られているので便宜上対象を40歳未満53例73眼,40歳以上55例74眼の2グループに分けて検討した。40歳未満の閾値と年齢との関係をみると,周辺視野ほど平均値は低く,標準偏差はやや大きくなる傾向が示された。黄斑部においては,平均値38.0dS,SD.1.68dBであった。40歳以上の群においては加齢とともに感度閾値が直線的に減少していくことが示された。黄斑部においては,Y=−0.09×AGE+41.2で回帰された。臨床における正常範囲の設定を考慮し,40歳未満の各測定点における以下95%値を設定したところ,現在臨床的に正常値巾の限界とされている±6dB以上の点が周辺部に3点認められる一方で,40歳以上の群では各測定点における95%予測限界巾では±6dBをこえる点が40歳未満の群より増え,固視点から21度より周辺に多く見られた。しかし,その他の点では,正常範囲を現在設定されている巾よりも絞ることができた。従来の報告では「感度閾値が加齢により一定の減少率を示す」というものがあるが,これは1.モデルであり,2.モデルの方が残差平方和が1138.2±723.6〓,1.では1171.7±724.9〓であり,2.の方が有意に小さかった。次に一般の視野感度比較の指標の1つである平均感度閾値および閾値総和について検討した。前者は全77点からマリオネット盲点にあたる2点を除いた75点の平均値で後者は全ての測定点の閾値の和である。両者を同様のモデルで解析した結果,平均感度閾値では37.4歳,閾値総和では37.6歳を減少率変化年齢として2.モデルで最もよく表現されることを見出した。これらの結果は矯正視力,色覚,立体視,動体視力,


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

昭和62年度発表
日本眼科学会
日本臨床眼科学会
国際眼科学会
その他
発表予定
J.J.C.O.(投稿中)
国際眼科学会(バンクーバー5月)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

61年度の共同研究では,東京大学医学部付属病院の眼科患者のデータを用い,問題の定式化を行った。本年度は作製したモデルの性質を数値シミュレーションにより調べ,特質を明らかにする,さらにフィードバックとして,モデルに実データ(現岐阜大学医学部教授北澤克明らによる眼底出血の経過観察データ)をあてはめ解析を行う。個人データの判別問題については,同じく岐阜大学病院における視野測定データを基にし,統計数理研究所の計算機を用い,解析を行う。特に視野は3次元表示も望まれるため,正常範囲をグラフィクス表示するシステム開発も試みる。以上の研究にはデータの性質および疾病の特性を明らかにするとともに統計的手法および理論の開発という課題が含まれている。当研究所,駒澤教授が関連される研究領域と関係が深く共同研究により,医学・統計・両領域の発展に寄与しうると考えるので,共同研究を希望する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

北澤 克明

岐阜大学

駒澤 勉

統計数理研究所