平成クオ1989)年度 共同研究集会実施報告書

 

課題番号

クオ−共研−86

専門分類

7

研究課題名

疾病構造の変遷に関する疫学研究会

フリガナ

代表者氏名

コマザワ ツトム

駒澤 勉

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

名誉教授

職  名

名誉教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

20 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

近年,日本人の疾病構造が大きく変化してきたことは,全国的な死亡統計から明らかである。しかし死亡統計はその性格上疾病構造の変化を早期に表すとは言い難い。また全国的な死亡統計のみでは死亡率や死因構造の変化をもたらした要因を明らかにすることは困難である。
疾病構造の変遷を早期に発見し,その要因を明らかにするには地域職域等の特定集団において,一定の基準にもとづいた疫学調査を長表間にわたって計画的に実施し,それによって,あらかじめ調査しておいた諸要因と疾病発生の関連を検討する必要がある。本研究会はこれまで長年にわたってこのような研究に従事してきた諸象を招いて,その成績にもとづいて,日本人の疾病構造の変遷とそれをもたらした要因についての討論会(シンポジウム)を開催しようとするものである。本研究会により今後の疾病構造の変遷への予測,新しい分析方法の展開,死亡統計の詳細な分析方法の開発と定義づけが期待される。


研究会は平成2年2月20日,統計数理研究所会議室で開催した。出席者は約20名であった。
研究会では,近年,日本人の疾病構造が大きく変化してきていることから,疾病構造の変遷を早期に発見し,その要因を明らかにするために地域・職域等の特定集団において一定の基準に基づいた疫学調査を長期間にわたって計画的に実施してきた諸研究グループの研究成績の報告・検討を行った。
研究報告としては,(1)大阪府立成人病センターの飯田,磯,佐藤らが大阪・秋田の地域住民の循環器系集団検診を通しての脳血管疾患発症者の長期予後に関する研究,(2)小町,嶋本らの地域における脳梗塞の病型割合とリスクファクター,(3)駒澤,鈴木らの循環器集団検診における疾病危険因子の時代変化に関する研究,(4)田中らの疫学の立場から集団における健康問題の発見,疾病の発生機序,因果関係の決定の疫学的分析法,等が報告された。
これらの研究報告に基づいて,主に日本人の循環器系の疾病構造の最近10年間の変遷とそれをもたらした要因について討議・検討を行った。
本研究会により今後の疾病構造の変遷への予測,新しい分析法の展開,死亡統計の詳細な分析法の開発の方向づけができた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

第48回日本公衆衛生学会総会(筑波),1989.10,成人保健分科会ミニシンポジウムにて発表,駒澤勉ら,循環器集団検診における疾病危険因子の時代変化に関する研究。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

飯田 稔

大阪府立成人病センター

磯 博康

筑波大学

磯村 孝二

佐久総合病院

上田 一雄

九州大学

大野 良之

名古屋市立大学

小沢 秀樹

大分医科大学

上畑 鉄之丞

国立公衆衛生院

北村 明彦

筑波大学

児玉 和紀

(財)放射線影響研究所

小西 正光

国立循環器病研究センター

小町 喜男

筑波大学

笹本 知子

筑波大学

佐藤 眞一

大阪府立成人病センター

嶋本 喬

筑波大学

田中 繁道

札幌医科大学

田中 平三

東京医科歯科大学

土井 光徳

高知県土佐山田保健所

野崎 貞彦

日本大学

柳川 洋

自治医科大学