昭和601985)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

60−共研−43

専門分類

7

研究課題名

動く調査対象集団の標本調査に関する研究

フリガナ

代表者氏名

トヨシマ ジュウゾウ

豊島 重造

ローマ字

所属機関

新潟大学

所属部局

農学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

10 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

動物個体数推定は自然保護対策の基本であり,林業,農業,その他の開発と自然環境との調和を考える上で,不可欠である。すでに野兎において推定法が確立しているが,他の哺乳動物について個体数推定の統計的方法を開発し,実用化を図る。


野生哺乳動物の生息数推定法として,カモシカのヘリコプターによる足跡観測法とキタキツネについての基礎研究をおこなった。
1.長野県下伊那郡飯田周辺16000haについてのカモシカ調査(新潟大学農学部の農水省応用研究とも関連した調査研究)
1)野兎に対して開発されたビュッフォンの針の確率モデルによる方法で,ヘリコプター調査を行なった。これに先立ち,予備調査で現地地形,足跡観察と写真撮影のための諸条件を検討し,105ミリ望遠レンズを購入した。2月に本調査において,足跡と本体の目視観察及び写真撮影を行なった。
目視により,カモシカ1頭の走行距離は約900mと計算され,写真から415頭と推定される。目視からの頭数推定は約3分の1と,かなりの差があり,検討を要する。
2)同地域では,カモシカのヒノキ造林への被害が問題となり,被害への補助金交付のための被害量のデータと,有害鳥獣駆除で捕獲されたカモシカ頭数が数年にわたり記録されてきている。これらのデータを整理し,生息数推定のモデルをたて適用を試みた。現在のところ推定値は実状とあわず,諸状況を考慮に入れてデータを検討,さらに必要なデータを集収しつつある。
3)これと同時に地元林業関係者から森林状況,造林木被害状況,生息数予想等,聞きとり,実態の把握に努めた。
2.北海道キタキツネの1日の行動距離把握のための調査
1日1頭の行動距離を知るため,捕獲して色素首輪をつけて放し,追跡調査をおこなった。60年度中に行なったものはいずれも不完全で終ったが,成功のための諸条件もわかってきたため,今後の調査に期待している。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

第18回野兎研究会大会にて発表
「航空機による森林生息獣類の密度推定法の開発に関する研究」豊島重造他
「暑寒別のノウサギとキツネの生息数推定」林文他
「キツネの行動追跡(予報)」柴田義春他


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

・長野県において新潟大学の農水省応用研究として,カモシカ生息数推定のためのヘリコプタ調査が60年度中に実施される予定で,このための予備調査を兼ねた基礎調査を行ない,データのとり方等を検討する
(61年1月)
・キタキツネについては,1日の行動距離がわかれば,従来の野兎におけると同じ方法で生息数推定が可能であると判断されており,この1日の行動距離のデータを多く集める必要がある。北海道においてこの調査を行なう
(61年1月〜3月)
・野兎生息数推定法確立のメンバーで,20年来共同して研究に当っており,今後も続けていく必要がある


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

川合 伸幸

  

駒澤 勉

統計数理研究所

斎藤 昌宏

林業試験場

柴田 義春

森林総合研究所

高田 和彦

新潟大学

馬場 康維

統計数理研究所

林 知己夫

統計数理研究所

林 文

東洋英和女学院大学

樋口 輔三郎

林業科学技術振興所