平成302018)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

30−共研−2046

分野分類

統計数理研究所内分野分類

e

主要研究分野分類

3

研究課題名

データの有効活用技術としてのメタアナリシス

フリガナ

代表者氏名

タカハシ クニヒコ

高橋 邦彦

ローマ字

Takahashi Kunihiko

所属機関

名古屋大学

所属部局

大学院医学系研究科

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

204千円

研究参加者数

7 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 医学・健康科学分野において,治療の効果やリスクを評価した複数の研究結果を統合して,それらを定量化するメタアナリシスの議論が古くから行われ発展してきた。特に複数の無作為化比較試験での治療効果を統合するメタアナリシスについては代表的な統計的方法とともにその手順が提案されており,実際多くの研究が医学・疫学分野で行われている。そこで得られた結果は根拠に基づいた医療(EBM)において最高位の根拠と位置付けられている。また最近では,多変量メタアナリシス,ネットワークメタアナリシス,個人毎のデータと文献に基づく要約データの同時分析など,メタアナリシスの新たな方法論の研究もすすめられ,実践されてきている。
 一方,メタアナリシスの重要性が認識されてくるとともに,従来のメタアナリシスで想定されていない複雑な状況での適用の需要も高まってきている。しかしそれらの状況に適切な解析方法が開発されていないこともあり,標準的な方法を適用すべく,それらのデータの情報を有効に取り込まず単純化された評価のみ行われる研究や,時に適切とは言えない方法を強引に適用してしまった研究なども報告されている。
 本研究では,これらの情報を有効に活用できるような新たなメタアナリシスの方法論の検討を行い,さらに実際の医学データに適用した実践研究も積極的に行うことを目的とする。
 2018年度には各自のテーマに沿った研究をすすめ,12月には宮崎で研究会を開催し,進捗報告と研究課題に関する議論を行った。特に今回はProf. Tim Friede (University Medical Center Gottingen, Germany)および宮崎大学の研究者らにも参加してもらい様々な視点から討論を行うことができた。
 またそれらの研究成果については学術雑誌への掲載や投稿および投稿準備を進めている。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

・Horisaki K, Takahashi K, Ito H, Matsui S. A dose-response meta-analysis to coffee consumption and colorectal cancer risk in the Japanese population: Application of a cubic-spline model. Journal of Epidemiology 2018, 28: 503-509.
・Hattori S and Zhou XH. Sensitivity analysis for publication bias of diagnostic studies for a continuous biomarker. Statistics in Medicine 2018, 37(3): 327-342.
・Tomita H, Fujisawa H, Henmi M. A bias‐corrected estimator in multiple imputation for missing data. Statistics in Medicine 2018, 37(23): 3373-3386.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

"New Development of the Methodologies for Meta-Analysis and Applications"
 December 27-29, 2018
 Miyazaki Prefectural Nursing University in Miyazaki, Japan
 (参加者:9名)

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

安齋 達彦

慶應義塾大学

貞嶋 栄司

地方独立行政法人佐賀県医療センター好生館

中尾 裕之

宮崎県立看護大学

服部 聡

大阪大学

逸見 昌之

統計数理研究所

米岡 大輔

St. Jude Children's Research Hospital