平成81996)年度 共同研究集会実施報告書

 

課題番号

8−共研−2

専門分類

2

研究課題名

核融合研究における数値解析手法と最適化

フリガナ

代表者氏名

カコ タカシ

加古 孝

ローマ字

所属機関

電気通信大学

所属部局

電気通信学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

18 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

制御核融合研究において用いられる、磁気流体モデルを始めとするモデルの構造を数理的に明らかにし、それを基礎に数値計算法の妥当性の検討、さらに炉の最適化、最適設計を目指す実際的な計算法の確立を目指す。特に、プラズマ核融合と応用数理という異なる分野の研究者の交流から新しい研究成果を生み出すことがねらいである。また、本研究会は平成5年度から7年度にわたり開催された研究会「MHD数理モデルによる核融合計算と最適設計」の成果を継承し、より広い観点から研究の進展を図ろうとするものである。


1996年11月25日から27日の3日間、当該分野の45名の研究者の参加を得て研究会を開催した。
研究会では、核融合研究における、磁気流体モデルを始めとする数理モデルを用いたプラズマの挙動の予測と制御の可能性を検討し核融合炉の最適設計に寄与することを目指して26の講演があり活発な討論が行われた。取り上げたテーマは3つに分類される。
第1の研究テーマは、プラズマを記述する数理モデルの妥当性についての数理的、数値的検討とそれに基づく応用に関するものである。適切な磁気座標の問題やMHDモデルの有限要素近似などの基礎的な話題や、ジャイロ運動論的なプラズマの定式化とその応用について新しい取り組みが報告され、検討が行われた。
第2のテーマは、抵抗性のプラズマの数値計算に関する基礎と応用に関する話題である。
今回、宇宙プラズマのシミュレーションについて興味深い結果が報告され、今後、核融合研究への新しい観点からの寄与が期待される。
第3のテーマは、関連する新たな数値解法やシミュレーション手法の提案である。プラズマの数値シミュレーションに関連する偏微分方程式の数値解法と、最適化を含む各種の応用についての報告とそれをめぐる討論が行われた。
幅広くテーマを設定した今回の研究会によって、信頼できる数値計算に基づく最適化についての系統的な研究がますます必要とされるという共通の認識が得られたと思われる。
今後とも統計数理研究所を舞台にこの分野の研究交流が継続できることを願っている。
〔研究会の場合 開催期間: 1996. 11.25-27    開催場所: 統計数理研究所〕


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Deng, L. and Kako, T. : Finite element approximation of eigenvalue problem for a coupled vibration between acoustic field and plate, J. Computational Mathema-tics, to appear in No.2 (1997)
統計数理研究所共同研究レポート85、MHD数理モデルによる核融合計算と最適設計、統計数理研究所、1996年2月28日.
T. Kako : A remark on the relation between spectral pollution and inf-sup condition, First JSIAM-SIMAI joint symposium on flow problems and phase field models,Anacapri, Absrtacts pp.52-54 (1996.10)

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

生野 壮一郎

筑波大学大学院

市口 勝治

核融合科学研究所

伊藤 聡

統計数理研究所

今井 仁司

徳島大学

牛島 照夫

電気通信大学

川口 秀樹

北海道大学

鈴木 貴

大阪大学

竹田 辰興

電気通信大学

田辺 國士

統計数理研究所

徳田 伸二

日本原子力研究所

等々力 二郎

核融合科学研究所

内藤 裕志

山口大学

畑上 到

熊本大学

本間 利久

北海道大学

松本 太郎

日本原子力研究所

若谷 誠宏

京都大学

渡辺 二太

核融合科学研究所