平成292017)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

29−共研−2061

分野分類

統計数理研究所内分野分類

i

主要研究分野分類

5

研究課題名

自動運転技術におけるドライバーの運転動作モデリングに関する検討

フリガナ

代表者氏名

ミヤサト ヨシヒコ

宮里 義彦

ローマ字

Miyasato Yoshihiko

所属機関

統計数理研究所

所属部局

数理・推論研究系

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

12千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

運転者・乗客共に楽しく運転・移動できるための統合的な車両制御系の検討は行われておらず,運転者の運転の楽しさについては車両?運転者系のモデルに基づく制御の研究が主体であり,快適性の研究が車両?運転者系における制御系の観点から統合的に検討されていない.そのような現状を鑑みて,運転者・乗客共に楽しく運転・移動できるための統合的な車両制御系の研究を進める.特に車両?人間(運転者と乗客)系の統計モデルを構築してその知見を活用することによって,従来以上の結果を達成する車両制御系の設計理論の追求を行う.共同研究者の荒川はドライビングシミュレータ(愛知工科大学現有設備)を用いて,自動運転時および自動運転の破綻を想定したマニュアル運転移行時における運転行動について6名の被験者を対象として評価を実施した.評価の結果,直進路においては自動運転前のマニュアル運転と,自動運転後のマニュアル運転時の間では,車速および操舵角の観点で顕著な差が見られなかった.しかし,右左折時においては,自動運転前のマニュアル運転に比べ,自動運転後のマニュアル運転時の操舵角が小さくなる傾向(つまり,ドライバが自分で運転する場合にはあまり舵を切らない傾向)にあることが判明した.これは,自動運転への依存や慣れに伴って,自ら操縦する際の感覚にズレが生じることに起因すると示唆される.この評価結果が今後自動運転破綻後のドライバモデルに反映できれば,より安全な自動運転システムの構築に繋がる可能性が示唆された.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

<著書>
荒川俊也: 生体情報センシング技術とヘルスケア、健康管理への最新応用 第1章 「生体情報の計測ノウハウとデータ解析、評価のポイント 〜心拍、脈波、血圧、脳波、呼気、発汗〜」, 株式会社技術情報協会, pp.3-16 (2017).
<論文>
Toshiya Arakawa: Trial Verification of Human Reliance on Autonomous Vehicles from the Viewpoint of Human Factors, International Journal of Innovative Computing, Information and Control, Vol.14, No.2, pp.491-501 (2018).
Toshiya Arakawa: Validity of detection of driver's surprised state based on systolic blood pressure, Journal of the Institute of Industrial Applications Engineers, Vol.5, No.3, pp.136-140 (2017).
<解説>
荒川俊也: ビジネスモデル構築に向けて生体計測技術はどうあるべきか?, 研究開発リーダー, 2018年3月号, pp.35-38 (2018).
<学会発表>
荒川俊也: 生体情報の観点による自動運転システム破綻時のHuman Factorsの考察, 第5回愛知工科大学ITSシンポジウム (2017.12.1).
加賀翔大郎, 荒川俊也, 大西正敏: 鼻部皮膚温度測定によるストレス検知システムの研究開発, 計測自動制御学会中部支部オープンラボ・若手研究発表会 (2017.11.30).
荒川俊也, 日比亮輔, 藤城孝彰: 自動運転システムの破綻時におけるドライバ状態の考察, 自動車技術会2017年秋季大会学術講演会 (2017.10.13).
荒川俊也, 榊原規彰, 近藤針次: 超音波ドップラー方式による車載かつ連続計測可能な血圧計の開発, 産業応用工学会全国大会2017 (2017.9.22).

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

H29年度は研究会は開催しなかった.

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

荒川 俊也

愛知工科大学