平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−50

専門分類

6

研究課題名

統計的モデリングの方法による反射法地震探査のノイズ除去の研究

フリガナ

代表者氏名

オカダ ヒロシ

岡田 広

ローマ字

所属機関

北海道大学

所属部局

大学院理学研究科

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

反射法地震探査の重要課題「難地域への反射法適用に関する諸問題」に関わる基礎実験で得られた多点平面格子型アレイによる記録は,反射法にとってノイズと言われる表面波と散乱波が非常に優勢なために反射波が識別できない。この記録から反射波を如何に精度よく検出するか,そのための統計的モデリングの方法に付いて研究する。


近年、石油・天然ガスの探鉱を目的とした反射法地震探査は、表面波や散乱波などのノイズが優勢で反射波の識別困難な「難地域」で行われることが多い。その難地域の一つである柏崎のテストフィールドで、観測点数10×10=100及び12×12=144の平面格子型アレイを互いに約1.5km離れた2ヶ所に展開し、発震源としてダイナマイト爆発及びバイブレータをテストフィールド内にそれぞれ21ヶ所及び20ヶ所に設け、個々の発震源からの波動を10秒間ずつ記録し、表面波及び散乱波等のノイズについて解析を行った。
アレイの代表的な点について発震別に計算した周波数範囲0-40Hzのランニングパワースペクトルにより、ノイズのパワー出現、消滅等の時間変化を考察した。また、2ヶ所のアレイデータについて発震別に計算した周波数・波数パワースペクトルにより、ノイズのアレイへの入射方向は発震点と受震点を結ぶ方向から約20゜ずれることが見出された。しかし周波数が10Hz以上になると、入射方向はほとんど一定せずランダムになることが分かった。
散乱波は全体にパワーが小さく、アレイ内での特徴を把握するには至っていない。これらのスペクトル解析には、ARモデリングの採用により、計算精度や分解能に向上が見られたが、非定常な波動現象の解析にはなお不十分な点があり、今後に問題を残した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

宮腰研・岡田広・凌甦群、地震計アレイによる表面波位相速度の推定可能な周波数領域
の上限、物理探査学会、1995年10月18日
 石川顕・凌甦群・岡田広、F-Kスペクトル法を用いた表面波の位相速度推定のシミュ
レーション、物理探査学会、1995年10月18日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

難地域での反射法では,反射波が表面波や散乱波のノイズに埋もれるという厄介な問題が起こる。その解決への基礎実験として,ーテストフィールドでバイブレータやダイナマイト爆発を合計30数回行い,これによる弾性波を観測点数10×10と12×12の2ヵ所の平面格子型アレイで観測した。1記録は10秒長で300チャンネル以上から成り,反射波はいずれも優勢な表面波や散乱波のノイズに埋もれて識別困難である。これら多チャンネル記録でのノイズ除去と反射波検出にとって,従来の「周波数・波数スペクトル法」は分解能や精度の点で不適切であり,これに代わる時系列解析の統計的モデリングの方法を必要と考える。それには統計数理研究所及び北海道大学の研究者の共同研究が必要である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

北川 源四郎

統計数理研究所

佐藤 洋

北海道大学大学院

高波 鐵夫

北海道大学