平成262014)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

26−共研−2030

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

7

研究課題名

現代日本人の政治的無関心・政策選好に関するコウホート 分析

フリガナ

代表者氏名

ミフネ ツヨシ

三船 毅

ローマ字

Tsuyoshi Mifune

所属機関

中央大学

所属部局

経済学部

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 本研究の目的は、第1に、日本人の政治的無関心、イデオロギー、政治不信感,政策志向に関する調査データを作成しコウホート分析を行うこと、第2に、ベイズコウホートモデルを拡張して,政治不信のコウホート効果に対して内閣支持率を考慮した新たなモデルを開発することである。第3に,以上の研究を拡張させコウホート効果形成の理論モデルの構築を目指すことである.
 これら3つの目的を遂行するために,平成26年度においては次の4点を実行した.(1)データ整備,(2)コウホート表の作成と分析(3)基本モデルの改良(4)理論モデルの開発,である.以下,概要を記す.
(1)データ整備:政治的無関心、イデオロギー、政治不信感,政策志向のコウホート分析に用いるデータを,ミシガン調査、JABISS、JES、JES2、JES3データ、明るい選挙推進協会調査データ,時事通信世論調査データを収集し整理し,作成した.
 特に,イデオロギーに関しては,各データセットにおいてイデオロギーが析出可能な質問項目(政策に対する指向性、および保革意識など)を用いて因子分析を適用し、新自由主義イデオロギー因子の抽出を行う。ただし、各イデオロギー因子を作成する質問項目は調査年により異なるので、経時比較可能な分析方法について検討した。
(2)コウホート表の作成と分析:イデオロギー、政治不信感、政治無関心、社会運動への参加に関して、男女年齢・時点別の集計を行い、コウホート表データを作成した。各コウホート表データに対して、ベイズ型コウホートモデルを適用し、コウホート効果の存在を検証中である。
(3)基本モデルの改良:政治不信のデータに関しては,時事通信の内閣支持率調査データを用いて,支持率の高さからもたらされる政治不信へのノイズを除去するモデルの開発を行ってきた.また,各データに対して、ベイズ型コウホートモデルにおける交互作用効果についての検討を行った.
(4)投票・棄権(投票率)に関わるコウホート効果を基礎として,コウホート効果が定着する過程をマルコフ連鎖などの確率過程として理論モデルの開発に取り組んできた.理論モデルにおける有権者への刺激の強弱や,刺激の回数を可変パラメータとしたシミュレーションから,コウホート効果形成のメカニズムを解明に取り組んできた.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

 平成27年2月25日に,中央大学社会科学研究所で開催された研究会「政治的空間における有権者(幹事:三船毅)」において,研究概要と進捗状況を報告した.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

特になし.

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

中村 隆

統計数理研究所