昭和621987)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

62−共研−13

専門分類

1

研究課題名

変動基礎確率空間上の分布の近似理論

フリガナ

代表者氏名

マツナワ タダシ

松縄 規

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計基礎研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

統計量の次元が標本数や他の条件によって変動する場合に,その確率分布の近似分布を扱う為の基礎理論について研究する事。工学や物理の分野の具体的な問題との関連についての考究も行う。


考察対象の確率変数の次元が関連するパラメーターに依存して変動する場合,その確率分布の近似分布を扱うための基礎理論について研究した。また工学や物理の分野の問題との関連についても若干の考察を行なった。
可変動基礎確率空間上の一様近似分布を扱うための一般的基準として,代表者がこれまでに開発してきた修正情報量を利用した基準が上記の理論に有効であることを確かめた。これを利用して準極値統計量の一様近似極値性が成立するための必要十分条件を与えた。これは従来の結果をより改善したものである。この一様近似問題を解析する際に精密標本分布と近似分布の間の近似誤差の評価に関するある意味での最良の不等式も見い出した。関連事項として,全変動距離に基づく一様近似と分布関数間の距離に基づく一様近似が同等となるための条件について考察した。この目的のために連続型の確率分布の部分集合族の強一様相対コンパクト性に関する基準を準備した。この基準は応用範囲の広いものであり,連続型分布からの確率変数の線形結合の強一様漸近正規性を系統的に証明するのに有用であった。
物理の分野からの問題として素粒子の衝突における多重発生問題について分担研究を行ない,理論による結果とこれまでに公表されているデータとの比較検討した。この問題については今後更に発展させる必要を感じている。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

T.Matsunawa:
1.A relative〓−compactness of a family of probability distributions
Research Memorandum No.335,(1987),The Inst.Statist.Math.
2.Asymptotic distriburions of quasi−extremes based on modified information criteria(1987),Oyerwolfach meetings on Extreme−theoris
3.Unified approach for uniform asymptotic normality of linear statistics
Proceedings of the sixth Asian Statistics Seminar(1988)110−117,The Thai Statistical Association,Churalongkorn University Printing House.
N.Suzuki et al.
1.Multiplicity distributions in a two−component brasnching process
Annals of the Inst.Statist.Math.(to appeaar)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

可変動基礎確率空間上の確率分布の一様近似分布を扱う為の一般的基準は現在迄のところ知られていない。しかし基礎工学や基礎物理の分野でこのような基準の開発が望まれている。
この為,本研究では流体力学の問題について山本から,素粒子分野について鈴木からの協力を受け,緊密な連絡を取って,上記基準開発の為の共同研究を行う。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

鈴木 尚通

松商学園短期大学

山本 勝弘

早稲田大学