平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−74

専門分類

7

研究課題名

食道癌予後因子の研究

フリガナ

代表者氏名

イシグロ マキオ

石黒 真木夫

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

成人の死因の大きな部分を占める癌に関しては生理学的な動態の研究と治療法の研究がさまざまな角度から進められている。癌の病態はその発生箇所に応じて個性を持っている。この研究では特に食堂癌の外科手術の予後を統計的に予測するために有効な説明因子を見出すことを目的とする。


パラメトリック生存率モデルを用いた解析法とノンパラメトリックなアプロ−チとして知られるカプラン-マイヤー法の結果を情報量規準で評価するための線形化補間したカプラン-マイヤー(LIKM)モデルを導入し, さらに共変量の影響を調べるための線形化補間したコックス生存率 (LIC)モデルも開発した.LIKMモデルとLICモデルに対してのEICの適用手法を提案し, シミュレーションにより有効性を示している. EICを用いることによって, ノンパラメトリックな推定法であるカプラン-マイヤ−法による生存時間関数の推定とパラメトリックなモデルによる推定を比較し, 食道癌予後因子の研究にあたっては, パラメトリックなモデルが有効であることを確認した.


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Kaise,T.(1996).Survival Analysis based on the Information Criterion EIC,総合研究大学
院大学,博士論文
貝瀬 徹,石黒 真木夫,EICによるハザード推定量の比較,日本統計学会,1996年9月(予定)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

予後を予測するのに役立つと考えられる因子として、患者の年齢、性別などに加えて、手術の過程で判明する壁深達度、リンパ節転移の所見がある。リンパ節転移が有効な情報を含んでいると考えられるが、食堂癌に関しては、胃癌などに比べて、リンパ節転移の様相が複雑であり予後との関連がまだ明確になっていない。この研究は、生存時間関数とリンパ節転移パターンの関係を記述するモデルを共同研究員の松原博士が収集したデータに基づいて推定する方法を中心に進める計画である。基礎となるモデルとしては、ワイブル分布、ガンマ分布などを想定して情報量基準で評価するが、柔軟な“ノンパラメトリック”的なモデルも考慮の範囲に入れている。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

貝瀬 徹

神戸商科大学

松原 敏樹

癌研究会附属病院

矢船 明史

北里研究所バイオイアトリックセンター