平成30(2018)年度 一般研究2実施報告書
| 課題番号 | 30−共研−2015 | 分野分類 | 統計数理研究所内分野分類 | b | ||||||
| 主要研究分野分類 | 2 | |||||||||
| 研究課題名 | 制約付き多変量解析法に関する研究 | |||||||||
| フリガナ 代表者氏名 | ヤドヒサ ヒロシ 宿久 洋 | ローマ字 | Yadohisa Hiroshi | |||||||
| 所属機関 | 同志社大学 | |||||||||
| 所属部局 | 文化情報学部 | |||||||||
| 職 名 | 教授 | |||||||||
| 配分経費 | 研究費 | 40千円 | 旅 費 | 382千円 | 研究参加者数 | 14 人 | ||||
| 研究目的と成果(経過)の概要 | 
|  本研究では,既存の多変量解析法の制約付き多変量解析法としての特徴づけ,および新たな手法の開発を行なっている.制約付き多変量解析法とは,既存の多変量解析に制約を入れることで,より解釈しやすい特徴を抽出するような方法である.具体的には,外部データやデータに基づいた仮説を制約として与え,これを満たすような解を分析結果から得る手法である.例えば,制約付き主成分分析ではデータ行列を多変量データとし,データ行列の行または列に関するデータを外部情報として用い,これを制約とする.その上で,データ行列を各主成分によって説明される主成分得点行列と負荷量行列に分解し,負荷量行列によって変量の外部情報間の関連性について把握することができる.これにより,制約のない主成分分析に比べ,解釈が容易になるという特徴がある.制約付き主成分分析法のほかにもすでに提案されている行列分解型多変量解析法についてもデータに関する制約を付けたものとして記述することができ,これらの手法には共通点が数多く存在し,個々の手法を体系的にとらえることが可能であると考えられる.また,多変量解析法の多くは分析目的だけでなく,扱えるデータの型・種類やに応じて個々に提案されている.しかしながら,ビッグデータの入手が容易になった昨今では,データの型や種類は多種多様に存在している.例えば,同一個体群に同一変量群を異なる条件下で得る「3相3元データ」やすべての値が非負であるような「非負値データ」などである.そのため,多種多様なデータの型・種類に応じて多変量解析法が必要となっているのが現状である.この問題を解決するために,テンソルの表記を用いることで行列分解型多変量解析の手法を拡張することが考えられる.さらに,ビッグデータでは,従来扱っていたデータに比べ,変量数が増加しており,データに対し一度主成分分析などの次元縮約法を適用した後に別の多変量解析を行うタンデムアナリシスと呼ばれる方法がデータに適用されることがある.しかし,タンデムアナリシスでは最終目的である回帰やクラスタリングに適した次元縮約となることは少ない.この問題点を解決するために,次元縮約とクラスタリング,回帰のパラメータを同時推定する同時分析法がある.これらの手法も扱うデータに関する情報をデータに関する制約として定義されている方法があり,共通点を見出せると考えられる. | 
| 当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等) | 
| [1] Tanioka, K and Yadohisa, H. (2018): Asymmetric MDS with Categorical External Information Based on Radius Model, Procedia Computer Science, 140, pp.284-291. DOI:10.1016/j.procs.2018.10.318 | 
| 研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。 | 
| 統計数理研究所研究集会( 30-共研-2015 ) | 
| 研究参加者一覧 | |
| 氏名 | 所属機関 | 
| 足立 浩平 | 大阪大学 | 
| 阿部 寛康 | 京都大学 | 
| 宇野 浩平 | 大阪大学 | 
| 大田 靖 | 岡山理科大学 | 
| 清水 信夫 | 統計数理研究所 | 
| 高木 育史 | 同志社大学 | 
| 高岸 茉莉子 | 同志社大学 | 
| 谷岡 健資 | 和歌山県立医科大学 | 
| 田村 義保 | 統計数理研究所 | 
| 寺田吉壱 | 大阪大学 | 
| 水田 正弘 | 北海道大学 | 
| 南 弘征 | 北海道大学 | 
| 山本 倫生 | 岡山大学大学院 |