昭和621987)年度 共同研究集会実施報告書

 

課題番号

62−共研−79

専門分類

7

研究課題名

水産資源解析のための新しい手法

フリガナ

代表者氏名

ナカムラ タカシ

中村 隆

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

20 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

水産資源の評価や管理方策に対する社会的経済的な期待と要請は近年急速に高まっている。水産資源解析のための手法の開発や適応例に関して,最新の進展状況や発展方向を論議検討することは極めて意味深い。
ベイズ統計と情報量規準,モデル構築,非線形最適化手法,制御工学(適応制御),動的計画法,ゲーム理論などを水産資源解析へ適用する際の問題点を是正し,より精度の高い水産資源解析をめざす必要がある。さらにまた,新しい数理学的手法の開発とコンピュータの高度な利用もすすめなければならない。
本研究集会では,研究者相互の交流をもちながら,特に若い新鮮な意見を素材に論議を深める。工学や生物物理,統計数理の分野の専門家も含めて本題を集中的に模索し展望する意義は深い。


次の9題の研究発表が行われた。
I.生物の適応戦略の理論手法に関するもの
1)不確定性を含んだシステムについての解析及びモデリング(東正彦/京大)
2)生物の適応戦略(厳佐庸/九大)
3)魚類における成長,再生産および死亡間の関係に対する制御理論手法の応用の可能性(北原武/京大)
II.水産資源解析学の基礎理論に関するもの
4)社会医学と水産資源解析学における‘コホート分析’の類似点・相違点(丹後俊郎/公衆衛生院)
5)鯨類資源の調査・解析(岸野洋久/統数研)
III.水産学分野の数理的問題に関するもの
6)水産分野における数理的問題(平松一彦/遠洋水研)
7)水産資源学における成長モデルの最近の展開(檜山義明・赤嶺達郎/日水研)
IV.ベイズ的推論と意志決定に関するもの
8)ベイズ的推論と意志決定(松原望/東大)
9)不確実性と意志決定(山田作太郎/東水大・菊地弘/水産庁)
参加者は69名。国公私立大学のほか,国立の研究機関,県水産試験場,民間の研究所など参加者の所属は多岐にわたった。
座長4名,討論者2名を中心に出席者全員によって諸問題に関する検討や自由討論が熱心にとり行なわれた。
本研究の反響は大きく,有意義であったとの感想が多かった。本主題を継続的に発展して討議せよとの意見もみられた。1988年以降も,同様な研究会が実施されるとよいとの希望が参加者の大半から出された。今回の研究は水産資源解析学とその周辺分野の進歩に,大きく貢献・寄与するものと思われる。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

東 正彦

京都大学大学院

石井 丈夫

東京大学

石松 隆和

長崎大学

巌佐 庸

九州大学

大西 修平

東京大学大学院

加藤 史彦

西海区水産研究所

菊地 弘

水産庁

岸野 洋久

東京大学

北原 武

京都大学

小井土 隆

海洋水産研究所

白木原 國雄

長崎大学

田中 昌一

東京水産大学

丹後 俊郎

国立公衆衛生院

檜山 義明

日本海区水産研究所

平野 勝臣

統計数理研究所

平松 一彦

遠洋水産研究所

松原 望

東京大学

松宮 義晴

東京大学

山田 作太郎

東京水産大学