昭和631988)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

63−共研−92

専門分類

8

研究課題名

社会調査における新技法の開発に関する基礎的研究

フリガナ

代表者氏名

ナオイ アツシ

直井 優

ローマ字

所属機関

大阪大学

所属部局

人間科学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

昭和62年度には,地域標本抽出法のうち,とりわけ集合住宅地域を対象とした抽出法について調査を実施し,分析を行った。昭和63年度には,次の2つの目的で研究する。
第1は,調査票の設計において質問文の差異による回答分析の違いを,より体系的に吟味し,望ましい質問文の特性を明らかにすることである。
第2は,調査実施の方法の新しい技法の開発である。他記式である個別面接調査法・電話調査法の他に,自記式である配票(留置)法や郵送法があるが,質問項目によって適切な調査実施の方法も異なってこよう。そこで,調査項目に応じた新しい技法を開発する。


本共同研究においては,調査法と質問文の2つの視点から,新しい調査技法の開発を行なった。
調査法については,最近困難になってきているという直接面接聴取法(以下,面接法という),使用頻度が高まっている配票法(自記式),および郵送法である。本年度は,世帯戸数約3,000人口約10,000人の島根県東出雲町をフィールドとして,この3つの調査法を比較検討した。面接法および配票法は,各々計画標本を150とし,郵送法は504棟をとった。すべて完全無作為として804標本抽出し,ランダムに振り分けた。それぞれ有効標本数は,120(80%),132(88%),296(52.7%)とかなり高い回収率となった。質問文については,とくに職業項目と価値観に焦点をあてて質問文を作成した。職業項目については,国民性調査にみられるような選択肢法とSSM調査にみられるような自由回答法がある。本調査研究では,この両者を開き,どれくらいの回答の違いがあるかを検討した。
また,価値観の質問文については,従来の国民性調査に補充,追加すべき項目について,物質−脱物質,科学重視−反科学,マスコミ接触等につき,新しい質問文を含め,国民性調査の質問文との関連を検討した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

「職業と新価値観の形成−島根県東出雲町調査結果報告書−(仮題)」大阪大学人間科学部経験社会学・社会調査講座(直井優編)で刊行の予定。


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

本年度においては,上述の研究目的を達成するために,次のような計画をたてている。
第1は,調査票の設計であるが,質問文が共通した対象に対応しており,比較的安定した回答を得るために,社会経済的地位(職業)とパーソナリティに関する質問文を中心として検討する。
第2は,調査実施の方法であるが,対象者に協力が得られやすく,容易に回答でき,その回答に信頼性があることが必要条件である。そこで第1の課題と関連づけながら,より主観的な項目から,客観的な項目まで,いくつかの段階に分類し,それに応じて複数の調査実施の方法を選択し調査する。
以上により,調査票の設計と実査における新しい技法が発見されることが期待されよう。
上述のいずれの研究も,部分的にはすでに統計数理研究所において試みられているが,共同研究とすることによって,さらに新しい知見を得ることができ,成果の蓄積されることが期待される。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

鈴木 達三

帝京平成大学