平成91997)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

9−共研−114

専門分類

9

研究課題名

森林の多元的機能評価に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ミノワ ミツヒロ

箕輪 光博

ローマ字

所属機関

東京大学

所属部局

大学院農学生命科学研究科

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

森林には木材生産の他、水源涵養や土砂流出防止、保健休養や生活環境保全などの環境的、文化的な機能を有している。本研究では東京大学演習林を対象して、森林のもつ各種機能を環境的、生物学的及び社会的な要因に基づいて量的に評価する方法を統計的データ解析法を用いて開発することを目的とする。


人々の森林に対する価値観が多様化するとともに森林がもつ各種機能を発揮させることに対する要望が社会各方面から益々高まってきている。
また、森林に対して期待される機能は、区域によって異なってくる。そこで、まず都市の発展段階から見た場合,現存する森林がどのような位置にあるかを類型化した。
そして、森林情報データベースを利用して森林に期待されている各機能の評価を行った。
国土数値情報の3次メッシュを単位とし,各メッシュから半径5km内における人口密度と自然面積それぞれを大きい順に並べた降順曲線をクラスタ分類することにより,緑地環境のタイプ区分を行った。
また,都市の発展段階に対応させた場合,森林が開発され都市へと向かう方向と,農村や工業地域に向かう方向とが示され,この手法によりマクロな視点からの緑地環境の評価が可能であることがわかった。
次に、森林情報データベースを利用し、森林に期待されている各機能の評価を行った。評価を行った機能は木材等生産機能の他に水源涵養機能、山地災害防止機能、保健休養機能の3種類の公益的機能を含め、合計で4種類とした。
データベースに蓄積されている林種、面積、林齢、地位、地利、樹冠粗密度、標高、傾斜から各種機能の評価値を計算し、評価値に応じて3段階に区分した。その結果、現在各区域における森林が各種機能をどの程度もっているかが示された。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

露木聡,都市の発展段階をもとにした緑地環境区分手法の開発,森林計画学会誌,投稿中
木平勇吉・西川匡英・田中和博・龍原哲,森林GIS入門−これからの森林管理のために−,日本林業技術協会,1998年3月25日
G.J.Nabuurs,T.Nuutinen, H.Bartelink and M.Korhonen eds. Forest Scinario Modelling for Ecosystem Management at Landscape Level.Europen Forest Insititute,Jan.1998.
鄭 躍軍・箕輪光博,多面的機能を考慮した森林の類型区分−数量化?類を用いた森林のパターン化−, 第108回日本林学会大会講演要旨集:P74.1997年4月3日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

・各種要因の調査:森林に関する環境的、生物学的、社会的な要因に関してインタビュー調査、アンケート調査及び森林の実地調査を行う。・生物生産機能の評価方法:生物生産機能を評価する指標として森林の蓄積量または成長量を外的基準として選定し、それを基にこの機能を評価する総合的モデルを提案する。質的要因と量的要因から成長量または蓄積量を推測する問題を分析するために数量化1類を利用する。・森林の総合的類型化方法:計量化しにくい環境的、文化的機能に対しては、これらの機能に反応する要因に基づいて森林を類型化する方法を検討する。これらの機能に反応する要因から森林を類型化するために数量化3類を利用する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

蔵治 光一郎

東京大学

龍原 哲

新潟大学

露木 聡

東京大学

鄭 躍軍

統計数理研究所

山本 博一

東京大学