平成81996)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

8−共研−118

専門分類

8

研究課題名

日米の女性運動の比較研究

フリガナ

代表者氏名

カマノ サオリ

釜野 さおり

ローマ字

所属機関

国立社会保障・人口問題研究所

所属部局

人口動向研究部

職  名

第2室長

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究の目的はいくつかの国の事例研究に留まっている女性学の研究に統計的手法を取り入れ、特に日本とアメリカに焦点を絞って、1)女性運動の状況、2)女性学の教育と研究の実態、3)様々な社会調査に反映されているジェンダーの概念のありかたを比較する事である。統計情報があまり活用されてない女性学の分野で統計分析に基づいた国際比較を試みることは、女性学と統計学の両分野の拡張と発展に貢献できると考えられる。


本研究では、日米の女性運動の比較を目的にする研究の一環としてさまざまな側面からアプローチをつづけている。
本年度は、まず第一に、平成7年度にひきつづき、現在日本で活躍している女性団体の活動内容、目的、根底にあるイデオロギーなどによって分類したものから、日本のフェミニスト運動全般についての検討を行った。
第2に、女性学教育の状況を分野、教育法、方針の面から分類した。女性学教育に関して、日本と即比較可能なデータをもたないアメリカとの比較をめざし、社会学にしぼって、どの程度女性学の視点が取り入れられているのか、またそれは女性学の中のどの視点のものなのかを検討した。
社会学の教員募集要項567件のコーディングを行ない、統計的手法をもちいてデータ分析を行い、ジェンダー分野がどのような形で、どの程度社会学のなかに浸透しているのかを検討した。
しかし、女性学がどのように既存の分野とかかわっているかをみるためには、今後、社会学のみでなく、さまざまな分野の状況を探る必要がある。
さらに、女性運動、女性学の中で育まれているイデオロギーと一般社会に反映しているジェンダーの社会調査に反映しているジェンダーの意味システムとの関連をさぐるために、女性に関する調査の質問項目を収集し、系統的に整理し、意味システムを読む準備を行った。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

コー・ダイアナ、釜野さおり、アメリカ社会学界における「ジェンダー」分野の位置付け、日本社
会学会、1997年11月23日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

平成7年度は、Khorが過去に発案した女性運動団体の分類法に基づいて、現在日本で活動している女性団体を活動内容、目的、根底にあるイディオロギーなどによって分類した。さらに日本の大学に於いての女性学教育の情報を収集し、系統的に分類した。本年度は、これらのデータを統計分析をし、米国においても同等のデータを集め、2カ国の分析結果を比較検討する。さらに、女性運動団体や女性学の中で育まれているイディオロギーと一般の社会調査に反映しているジェンダーの意味システムとの関連を検討する方向に進めていく。日本の女性運動や女性学の状況に知見の深い善積、以前から女性運動の国際比較を行ってきたKhor、意識調査に基づく国際比較を行ってきた釜野が共同で本研究を行うことは不可欠であり、データ分析の設備の整っている統計数理研究所が本研究のベースとして、最もふさわしいと考えた。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

Khor Diana

法政大学

善積 京子

追手門学院大学