平成51993)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

5−共研−11

専門分類

1

研究課題名

加法過程に関連する諸問題

フリガナ

代表者氏名

シムラ タカアキ

志村 隆彰

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計基礎研究系

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

15 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

加法過程の研究の中でも現在特に関心をもたれている問題としてその時間発展に伴う様々な性質(密度関数、絶対連続性、単峰性等)の変化についての研究がある。本研究は、このことを主な研究対象とし、併せて、(広義)安定過程に関する問題も扱うことをその目的とする。


本研究は昨年度の「安定分布・安定過程およびその周辺の研究」の流れをくむものであるが、より広く加法過程に関する様々な問題を取り上げた。現在、この分野の研究は多岐に渡って発展し続けており、既に知られている事柄を基礎にして、その研究対象を(作用素の意味を含む)多次元化に代表されるようなより一般的なもの、あるいは時間発展に伴う性質の変化や絶対連続性などの一層詳細なものに広げつつある。
その中で、本年度の共同研究により、2次元の場合、および多次元でずれの係数がJordan細胞のときのOrnstein-Uhlenbeck型過程の再帰性の判定条件、多次元無限分解可能分布が絶対連続になるための(必要あるいは十分、2次元の場合は必要十分)条件が得られたのをはじめ、ランダム媒質と関係するLevy過程、作用素安定分布、半安定分布、それに広義安定過程(加法過程の一部としての通常の安定過程とは異なる)等についても様々な結果が得られた。
その成果は1993年8月4日〜6日に統計数理研究所内で開催された研究集会を中心に発表され、共同研究レポート51「加法過程の諸問題」としてまとめられているので、詳しいことについてはそちらを参照願いたい。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

K.Sato,T.Watanabe and M.Yamazato, Recurrence conditions for multidimensional processes of Ornstein-Uhlenbeck type,J.Math.Soc.Japan,to appear

前島 信 Operator-self-similar processのあるクラスについて 日本数学会 94.3.31
崔 慶淑 Criteria for recurrence and transience of semistable processes 日本数学会 94.3.31

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

加法過程は確率過程の中でも基本的かつ重要なものである。その研究は特殊なケースと考えられるブラウン運動や安定過程を中心に継続的にすすめられてきた。
ところが最近になってより一般の加法過程についての研究も盛んになりつつあり、中でもその時間発展に伴う様々な性質の変化の研究は重要なもののひとつである。
また(広義)安定過程に関する問題についても安定過程の一般化として研究者の関心を集めている。これらの問題は従来よりも広いクラスの確率過程を扱うことにより、特殊なクラスでは見逃されてきた確率過程の性質を探求しようとするものであり、自然な研究の流れであると同時により現実的なものといえる。その意味で確率論のみならず、統計学の見地から見ても統数研の共同研究として実施する価値が充分にあると考える。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

笠原 勇二

お茶の水女子大学

古城 克也

新居浜工業高等専門学校

佐藤 健一

名古屋大学

佐藤 由身子

愛知工業大学

清水 良一

統計数理研究所

高嶋 恵三

岡山理科大学

竹中 茂夫

岡山理科大学

田中 洋

慶應義塾大学

Choi Gyeong-Suck

名古屋大学大学院

前島 信

慶應義塾大学

森 俊夫

横浜市立大学

山里 眞

琉球大学

山室 考司

愛知江南短期大学

渡部 俊朗

会津大学