昭和621987)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

62−共研−35

専門分類

5

研究課題名

市街地における準マイクロ波帯伝搬特性に関する統計的研究

フリガナ

代表者氏名

サトウ サダオ

佐藤 定夫

ローマ字

所属機関

東京電機大学

所属部局

工学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

市街地における準マイクロ波帯伝搬特性に関する統計的研究
新しい周波数帯を用いた無線通信方式の開発にあたっては電波伝搬特性の解明が不可欠である。この研究の目的は,建物の高さ,間隔,道路幅などが不規則な市街地において,準マイクロ波帯を用いて移動体通信を行なう際の伝搬特性の統計的性質を明らかにすることである。


我が国のポケットベル方式には300MHz帯,自動車電話方式には800〜900MHz帯の周波数が用いられている。移動通信の新しい周波数帯としては1000〜3000MHzの準マイクロ波帯の中の1500MHz帯が用いられる予定である。新しい通信方式の開発のためには電波伝搬特性の解明が不可欠である。
現在,郵政省電波研究所,NTT等においては準マイクロ波帯伝搬特性の実験的研究が行なわれている。
我々は,市街地において受信される電波はビルからの回折波が主体である点に着目してビルの高さ及び間隔の分布が指数分布に従う場合について,電算機シミュレーションによりビルによる電波の回折損失を計算して,道路上の電界強度を推定する方法を採っている。
昭和62年度には,東京都内におけるビルの高さ及び間隔の分布の調査を行い,両者の分布が指数分布で近似されることが確認され,地域別の分布のパラメータを知ることができた。そして,ビルの高さ・間隔,基地局・移動局のアンテナ高,距離などをパラメータとして,300,400,900,1500,2000,3000MHz帯の電界強度を計算した。又,香港,シンガポール等の外国地域における電界強度測定値と推定値の比較を行い,両者がほぼ一致することを確認した。
今後,シミュレーションによる計算値を用いてビルの高さ,アンテナ高,距離などをパラメータとした電界強度(又は伝搬損失)の回帰式を作成する必要がある。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

(1)樋口,森田,佐藤:市街地におけるUHF帯電界強度推定法に関する統計的研究(第一報)
信学技報 AP87−50,87.7.16
(2)同(第二報)
信学技報 AP87−103,87.12.18
(3)同(第三報)
信学技報 AP88−未定,88.4.15
(4)樋口,森田,佐藤:移動通信方式のサービスエリアの推定,昭和63年度電子情報通信学会春季全国大会
B726,88.3.29


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

昭和60年度に,我々は電算機シミュレーションにより建物による電波の回折損失ならびに電界強度の平均および分散を計算し,測定値との比較を行った。
(結果は昭和62年度電子通信学会全国大会に投稿中。)
昭和62年度はさらに電波特性の計算を行ない測定値と比較検討し,合理的な伝搬モデルを決定する。また適当なパラメータを用いることにより,回折損失および電界強度を直接計算する方法についても研究する。
昭和60年度の研究は,統計数理研究所の共同研究として研究所の電算機を用いて行なったので,コンピュータプログラムやデータなどに関し研究の継続性からいって研究所の共同研究として実施することが必要である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

長谷川 政美

統計数理研究所

樋口 伊佐夫

帝京技術科学大学

森田 和夫

(株)セコムテクニカルセンター