平成252013)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

25−共研−2007

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

3

研究課題名

長期野外データからの個体群モデリング

フリガナ

代表者氏名

コイズミ イツロウ

小泉 逸郎

ローマ字

Koizumi Itsuro

所属機関

北海道大学

所属部局

創成研究機構

職  名

助教

配分経費

研究費

40千円

旅 費

49千円

研究参加者数

3 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究では、申請者が16年間にわたり蓄積してきたサケ科魚類(オショロコマ)の生態データを統計モデリングにより解析した。具体的な共同研究の実施は、申請者とその学生が12月に統数研を訪問、共同研究者(島谷)が6月、10月、1月に北大を訪問し、解析と議論を行った。

平成25年度は、産卵時期の河川間および河川内変異をAKB(approximate kernel Bayesian)法により詳細に分析した。従来の方法では取り入れることができなかった個体レベルの詳細な繁殖過程をモデル化し、新しく同調パラメーターを推定した。初めは30河川を対象としたが、データが少ない河川はパラメータ推定ができず、現段階では10河川のみで尤もらしいパラメータが推定できた。河川によっては顕著な同調産卵が見られたが、ランダム産卵と推定された河川も存在した。また、本手法によりオショロコマでは同町係数が4程度、つまりメスの産卵時期の期待値の4-6日前であれば他個体の産卵に同調することが示された。本研究では、新しい手法であるAKBを用いてオショロコマの産卵生態に関する知見が深まった。現在、論文の執筆に向けて全体の構想を練っている段階である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

統計数理研究所共同利用研究リポート320 「環境・生態データと統計数理」p11-13.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

ABC法(approximate Bayesian computation)の生態データへの応用例 統計数理研究
所共同利用研究集会「環境・生態データと統計数理」(25-共研-5004) 2013年11月1日

統計数理研究所共同利用研究集会「動物行動モデリング:個体・集
団・バイオメカニクス」(25-共研-5002) 2013年12月16-18日

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

島谷 健一郎

統計数理研究所

山崎 千登勢

北海道大学