平成162004)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

16−共研−8

専門分類

1

研究課題名

安定分布の適合度検定

フリガナ

代表者氏名

マツイ ムネヤ

松井 宗也

ローマ字

Matsui Muneya

所属機関

東京大学

所属部局

大学院経済学研究科

職  名

博士課程1年

所在地

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研究目的と成果の概要

安定分布はパラメータαにより裾の厚さを調節できるため、ファイナンス等、
ファットテイルであると仮定されるデータをモデリングするのによく利用される。
ただ実際にデータが安定分布に従っているかどうかは疑問でよく検討してから
用いるべきであると考える。これが安定分布の適合度検定を考える目的である。
むろん実際のデータがi.i.dであるとは限らないので最終的にはミキシング等の
場合も考慮したい。
今年の成果は検定に必要なパラメータの推定、特に最尤法に関してである。
正規分布(α=2)のもとで情報量が発散することが知られているが、安定分布が
正規分布に近づくとき(α->2)その発散のオーダーを一般の対称に限らない
安定分布の場合に求めた。合わせて安定分布がどのように正規分布に近づくか
あきらかにした。
また対称な場合は現在以下の論文にもとづき最尤法のシミュレーションを行って
いる。正規分布の場合はデータ数にもよるがほとんど(α=2)と推定され非常に
興味深い。最尤法の計算はコンピュータの性能にもよるがやや重い。
研究成果としてまとめた論文(両方とも現在投稿中)
[1]M.Matsui and A.Takemura,Some improvements in numerical
evaluation of symmetric stable density and its derivatives,2004.
[2]M.Matsui,Fisher information matrix of general stable distributions
close to the normal distribution,2005.