平成202008)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

20−共研−2027

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

6

研究課題名

コーパス言語研究における量的データ処理のための統計手法の概観

フリガナ

代表者氏名

イシカワ シンイチロウ

石川 慎一郎

ローマ字

Shin’ichiro ISHIKAWA

所属機関

神戸大学

所属部局

国際コミュニケーションセンター/国際文化学研究科

職  名

准教授

配分経費

研究費

50千円

旅 費

90千円

研究参加者数

6 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

(目的)
応用言語学研究(日本語研究・英語研究)においては量的分析手法の重要性に対する理解が次第に広がっているが,統計手法については,研究者が個別的な研究の中でad hocに利用しているにすぎないのが実情である。個々の研究者の基礎的な理解の程度に大きな差があるため,応用言語学分野全体として,統計的分析手法の蓄積と精錬が進んでいるとは言い難い状況が長く続いている。本プロジェクトでは,平均・標準偏差からはじめて多変量解析にいたる各種の基礎的統計手法を言語分析という観点に即して整理し,言語研究に真に必要な手法の精選を行う。

(成果)
言語研究で多用される下記の個々の統計手法について,担当を決めて、即した整理・概括を行った。今後はこれらを統合し,統計の入門段階にある言語研究者(学生・院生)の自習に資するデータベースとしてまとめてゆきたい。

有意差検定:高見(カイ二乗統計、ボンフェローニ修正)
主成分分析:水本(コレスポンデンス分析との関係、変数ポジショニング)
判別分析:小林(学習者コーパスを用いた習熟度判別の実践)
因子分析:石川(因子抽出法の選択、分析の数理的モデルの検証)

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

論文発表
※下記はいずれも統計数理研究所共同研究レポート『コーパス言語研究における量的データ処理のための統計手法の概観』に所収。

(50音順)
石川 慎一郎 「因子分析における因子抽出法間の比較?日本人英語学習者の語彙学習方略データを利用して?」
石川 慎一郎 「因子分析(3変数1因子モデル)を用いたFROWNコーパスにおける頻度副詞の共通性と独自性の検討」
小林 雄一郎 「コーパス言語学研究における判別分析の応用」
小林 雄一郎 「日本人学習者の英作文における”so”の統計的分析」
高見 敏子 「言語データと統計的検定に関する疑問?統計学の入門書でわからないこと」
中尾 桂子 「日本語分析における統計手法の概観と展望」
中尾 桂子 「文体的特徴に基づくテキスト分析の可能性?品詞分析モデル指標MVRを利用した文体論の言語教育への応用」
水本 篤 「コーパス言語学研究における多変量解析手法の比較?主成分分析 vs. コレスポンデンス分析?」
水本 篤・野口 ジュディー 「多変量解析を用いたPERCコーパスの領域分類」

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

●研究会名:統計数理研究所言語系共同研究グループ合同研究発表会「言語研究と統計2009」
●テーマ:言語研究にかかわる統計手法の検討と応用事例の分析
●日程:2009/3/15-16
●場所:統計数理研究所講堂
●参加人数:約65人(初日)/40人(2日目)

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

小林 雄一郎

法政大学

高見 敏子

北海道大学

中尾 桂子

大妻女子大学短期大学部

前田 忠彦

統計数理研究所

水本 篤

流通科学大学