平成152003)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

15−共研−2033

専門分類

7

研究課題名

水産資源に対する観察データ解析のための統計推測

フリガナ

代表者氏名

キタカド トシヒデ

北門 利英

ローマ字

Toshihide Kitakado

所属機関

東京水産大学

所属部局

水産学部

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

7 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

水産資源の利用と管理を適切に行うには,資源管理の単位となる系統群の判別と分布状況を解明し,系
統群の死亡率,加入率の量的変化や,種間の相互関係,さらには環境の影響を把握していかなければな
らない。一般に,人間は水産資源の生息域を直接観測できない場合が多く,資源解析のために利用され
る調査データおよび漁業データは,観測値のバイアス,ランダムサンプリングからのズレ,データを取
得する状況の不均一性に起因する超過変動など,解析を困難にする要因を多く抱える傾向にある。した
がって,統計的推測を行う上で土台となるデータとモデルの不確実性は大きく,そのため推測も複雑で
困難となることが多い。
 そのような水産資源を対象とした解析のアプローチとして,最尤法,ベイズ的手法をはじめ,最近で
はセミパラメトリックモデル,推定方程式,経験ベイズ法など多くの手法が利用されはじめている。ま
た,情報量規準をはじめとするモデル選択手法や,その不確実性を考慮した解析も活発に議論されてい
る。
 そこで本研究では,水産資源に対する観察データの性質を考慮した推測方法に関して改めて議論する
とともに,適切な統計的手法の選択や新たな推測方法の提案について検討を行った。今年度の共同研究
で取り扱った具体的なテーマとして,ライントランセクト法による資源量推定と空間構造解析,混獲デー
タの解析,混合正規分布モデルを想定した体長組成の分解,漁獲統計量の標準化,水産資源解析におけ
るブートストラップ法,系群構造解析などが議論の対象となった。具体的な方法論とし,既存の方法に
加えて今後,ニューラルネットワーク,構造方程式モデリング,さらにはデータマイニングなどの手法もと
りあげ,幅広い視点からより精度の高い手法の模索する必要性も議論された。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Okamura H,T Kitakado,K Hiramatsu,M Mori.Abundance estimation of diving animals by the
double-platform line transect method.Biometrics,59:512-520,2003.
北門利英。統計的方法の考え方。「水産資源管理学」,北原武編,296-316,2003。
北門利英,岡村寛,「鯨類の資源量推定における追加分散とその評価」,平成16年度日本水産学会年次大

庄野宏,「インド洋メバチ資源の将来予測と資源管理」平成16年度日本水産学会年次大会

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

江口 真透

統計数理研究所 

岡村 寛

独立行政法人 水産総合研究センター

庄野 宏

独立行政法人 水産総合研究センター

袴田 高志

(財)日本鯨類研究所

南 美穂子

統計数理研究所 

吉岡 耕一

東京医科歯科大学