平成212009)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

21−共研−4103

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

3

研究課題名

バイオロギングデータに基づく大型猛禽類の採餌行動モデリング

重点テーマ

フィールド生態学と統計数理

フリガナ

代表者氏名

マツモト ケイ

松本 経

ローマ字

Matsumoto Kei

所属機関

北海道大学

所属部局

大学院水産科学研究院 海洋生物資源科学部門 資源保全管理戦略分野

職  名

学術研究員

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

近年、装着型の発信機や記録機によって動物の位置や行動を調べる手法であるバイオロギングの技術が急速に発展し、動物行動研究で扱えるデータの幅が格段に広がった。特に加速度を1秒以下の微細な時間スケールで計測する技術は、これまで困難であった動物の歩行や飛翔といった行動を膨大な時系列記録情報から再現できると期待されている。特に数キロの体サイズを有する大型猛禽類は、計器類の装着に見合うだけの体重をもつために適した材料であると考えられる。
そこで本研究では、鳥類の行動判別技術の開発を目的とし、装着型小型データロガーによる行動判別の可能性を、以下2項目をおこなうことで検討する。1)加速度データロガーとGPSロガーを内装する装着回収型ユニットの開発、2)加速度データを用いた行動判別統計モデルの構築。
 加速度データロガーとGPSロガーを内装でき、かつ設定した時間の経過後に体から離れて回収できる装着回収型ユニットを開発した。次に飼育下のオオワシとオジロワシに装着して回収し、加速度データを無事得られることを確認した。これによって野外では再捕獲が困難とされてきたワシ類から今後野外で加速度データ及び位置データが得られると期待される。ワシ類から得られた加速度データには、行動別に特徴のあるパターンが見られた。これらのパターンを区別できる統計モデルを開発することによって、行動をある程度判別できるかもしれない。そのためには、野外で活動するワシ類を捕獲する新たなシステムの開発と複数個体からのデータ収集が必要であり、現在、捕獲システム及び行動判別モデルの開発の途中段階にある。本研究の未開発部分に関しては、申請中である次年度一般研究2において継続する予定である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

K. Matsumoto, M. Kaeriyama, K. Saitoh, K. Shimatani, and H. Enomoto (2010) A new system for monitoring the marine ecology in the sea-ice edge region by sea eagles equipped with data loggers. Proceedings of the 25th international symposium on Okhotsk sea and sea ice: 44-46.

松本経,帰山雅秀,島谷健一郎,齊藤慶輔 (2009) オオワシ・オジロワシの行動記録システムの開発. 日本鳥学会2009年度大会要旨集

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

松本 経

北海道大学

島谷 健一郎

統計数理研究所