平成81996)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

8−共研−119

専門分類

8

研究課題名

統計学の社会貢献促進のための研究

フリガナ

代表者氏名

ササキ マサミチ

佐々木 正道

ローマ字

所属機関

兵庫教育大学

所属部局

学校教育学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究の目的は、現代の日本社会が直面している諸問題を統計分析を通して検討し、研究の成果を地域社会に還元し、統計学研究を実社会により密接なものにすることである。具体的には、ボランティア活動、リサイクル問題、社会福祉などに関する調査データに焦点を当てて、それらを多様な解析法を用いて分析し、その結果を社会に提供していく。


本研究では、現代の日本社会が直面している諸問題について統計分析をもちいて検討し、その結果を統社会に還元することを目的にしたプロジェクトの一環として、本年度は、東京都目黒区において、「長寿社会を支える家族、コミュニティー、制度」というタイトルで、社会福祉に関する意識調査を行った。
住民台帳から無作為に100地点、それぞれの地点から5人、合計500人を抽出し、331人(回答率66%)の回答を得た。分析結果の一部を、市民に理解しやすいようなレポートにまとめ、回答者たちに配布した。
年齢によって、高齢者福祉サービスに対する意識、高齢者のケアの家族の役割の認識、近所付き合いや親戚付き合いのありかたなどが違うことがわかった。また自由回答から、高齢になっても、生きがいをもって、なんらかのかたちで現役で活動しつづけることを望む記述が多くみられた。
現在どのようなところにどんな社会参加の場があり、どのようにしたら福祉による援助を受けることができるかなどの情報が広く行き渡ることや、高齢者が気楽に集い、憩い、出会うことのできる場所をつくるなど、都会のコミュニティーの特性を考慮した社会をつくっていく必要性も見られた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

本研究に関連したデータ収集はすでに佐々木(阪神大震災後のボランティア活動に関しての調査)、岸野、吉野(東京都目黒区のリサイクルに関しての調査)によって進められている。平成8年度にはこの3名に林と釜野が加わり、社会福祉に関する調査の実施を計画している。実社会に密接したテーマを扱う3つのデータの統計分析を行い、地域社会に提供する情報を抽出し、それぞれの地域社会からのフィードバックを考慮しながら、統計学研究をいかにして直接社会に貢献できるものにしていくかを考える。統計数理研究所をベースにして市民の日常生活に関連の深いデータを収集し、それらの統計分析を通して、統計学研究と地域社会との結びつきを促し、且つ統計学研究の社会的役割を考えていくことは、本研究所にとって有益であると考える。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

釜野 さおり

国立社会保障・人口問題研究所

岸野 洋久

東京大学

中村 永友

札幌学院大学

林 文

東洋英和女学院大学

吉野 諒三

統計数理研究所