平成41992)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

4−共研−78

専門分類

7

研究課題名

献立決定に関する統計学的研究

フリガナ

代表者氏名

カネコ シュン

金子 俊

ローマ字

所属機関

文教大学

所属部局

教育学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

献立決定の経過を知ることは栄養教育の実施に重要な意味がある。本研究では、朝食、昼食、夕食などの食事毎の献立構成に、主食(米、パン、麺)と主菜(魚介、肉、卵)が、どのような経過で決定されて行くのかを知ることを目的とする。そのために山間部、沿岸部の2カ所の実態調査を行い、過去の栄養調査記録と対応させて、その結果の整合性を統計学的に検討する。


朝食、昼食、夕食といういわゆる3度の食事と、各食事の間で摂られる各間食など、一日の中で幾度か間欠的に営まれている各食事献立は、どのような過程を経て決定されているのか。また、各食事における食品の出現頻度やそれらの組合せの実態はどのような状態であるか等を検討するために、特定地域住民を対象として、質問紙を用いた調査を実施した。
調査は平成4年6月〜7月に実施した。対象者は前年度も調査に協力を依頼した長野県中野市81名、千葉県安房郡白浜町99名、東京都の山の手地区81名の各婦人計262名である。
調査方法は各地域毎に対象者を一堂に集め、献立に関する質問紙の記入方法を説明後、対象者本人が記入した。調査項目は、各食事において、献立は家族構成員の誰が決定権をもつか。献立内容の決定手順、主食の種類、主菜の種類、飲物汁物の種類、それに、主食、主菜、汁物・飲物等の組合せ、および間食で摂取される食品の種類とその際の飲物の摂取状況などについてである。
集計・解析に当たっては、記録内容を吟味した上でコンピュータへの入力、解析等を行った。その結果、次のようなことが明らかとなった。
1.主食パターンでは、朝食、昼食、夕食いずれも「ごはん」というパターンが全体では最も多い。しかし、東京では「パン」−「ごはん」−「ごはん」というパターンが最も多い。
2.主菜の出現は、全体では朝食は「卵類」、昼食は「魚類」夕食は「魚類」がそれぞれ最も多かった。しかし、これを主菜パターンとして集計すると、「卵類」−「魚類」−「肉類」というパターンが最も多くなる。
3.主食と主菜のパターンでは、地域差が大きく、白浜では「ごはん」−「魚類」、東京では「パン」−「卵類」の出現が多い。
4.間食については中高年齢者は「せんべい」、「和菓子」の摂食と、飲物は日本茶が多く、若年齢者は「ケーキ類」、「クッキー類」が多く、飲物として「コーヒー」が多く摂られていた。
5.献立の決定順位は、朝食、昼食は「主食−主菜−汁・飲物−その他」の順で決定することが多く、夕食では主菜を第1位に決定するものが多くみられた。
6.摂食のパターンは、いわゆる3度の食事と、これらの間に間食を摂る6食のパターンが最も多くみられた。なお、詳細については現在も解析中である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

金子 俊,佐伯圭一郎,高木廣文:献立の決定と構成に関する研究,第51回日本公衆衛生学会総会(1993.10.20)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

長野県中野市、千葉県白浜町において、家事を担当している中高年婦人200名を対象に、平成4年の夏期において、訪問面接形式で調査説明日を含めそれぞれ8日間(計16日間)の実態調査を行う。そして、得られた成績と、本地域で過去に行った栄養調査の成績を対応させ、多変量解析等の手法を用いて両成績の整合性の検討まで行う。
こういった一連の研究過程で、大規模データの高速処理を中心とする作業は統計数理研究所のコンピュータを使用して行うことが望まれる。解明された成果は協力機関や対象者にフィードバックをするとともに公衆衛生学会などの関連学会に速やかに報告する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

佐伯 圭一郎

大分県立看護科学大学

高木 廣文

統計数理研究所