昭和621987)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

62−共研−34

専門分類

5

研究課題名

確率二進木とその計算機技法への応用

フリガナ

代表者氏名

シブヤ マサアキ

渋谷 政昭

ローマ字

所属機関

高千穂商科大学

所属部局

商学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

確率二進木モデルの諸特性値(統計量)のモーメント,特性関数,分布関数を求めようとすると,“平均合成績型”と呼ぶべき,一連の関数方程式が導かれる。伊藤・渋谷は,多かれ少かれ,これを陽に解こうとしてきたが,それには限度がある。より定性的な成果が分枝過程・点過程で得られており,それを利用して一連の問題に挑戦する。成果が得られれば計算機におけるいくつかの技法で生じる問題が解ける。


データ管理算法より生じた逐次確率2分法の数学モデルが関心事である。特に離散モデルで生じるスターリング確率分布族が,公開暗号系における「2集団の誕生日問題」に関連することに注意した。
今年度は前年度の成果のまとめと発表に努力した。その結果は次紙の通りである。スターリング確率分布族の定性的性質はかなり明確となった。
残した問題として,多変量の場合への拡張と,漸近的寄動の研究がある。
共同研究の出発点であるランダム・パッキングについての考察からやや外れたが,上記成果に基いて回帰を計画している。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1.K.Nishimura and M.Sibuya
5.M.Sibuya
Probability to meet in the middle and other computer applications of Stirling distributions International Association for Statistical Computing World Cunference,1987 Sept.Susono City, Shizuoka.
6.渋谷政昭
スターリング確率分布族と酔歩
文部省科学研究費シンポジウム,離散型データ解析の統計数理の研究・開発,昭和62年12月千葉大学
7.Yoshiaki Itoh
The minimum of gaps generated by one−dimensional random packing.
International Statistical Institute, 46th Sess.
Contributed Papers,201−202,1987 Sept.Tokyo.
Occupancy with two types of balls Ann.Inst.Stat.Math.
2.M.Sibuya
Log−concavity of Stirling numbers and unimodality of Stirling distributions Ann.Inst.Stat.Math.(submitted)
3.K.Nishimura and M.Sibuya
Probability to meet in the middle Research Report KSTS/RR−87/006 Dept.Math.,Keio University.
4.渋谷政昭
スターリング数の対数凹性とスターリング確率分布の単峰性
日本統計学会,講演報告集,昭和62年7月南山大学


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

前年度,渋谷・伊藤・西村の統計数理研究所・共同研究によりデータ管理算法に現われる確率的問題をとりあげた駐車問題(1次元ランダム・パッキング),それと密接な関係をもつ確率2分割問題について成果を得た(Ann.Inst.Stat.Math.in print)。その離散版では第1種スターリング数を含む確率分布族を調べる必要が生じ,総合報告をまとめた(“応用統計学”誌,印刷中)。少し外れるが関連ある問題として,電子メールにおける認証の安全性を調べた(Ann.Inst.Stat.Math.Submitlecl)。
これらの諸問題の中心が確率二進木というモデルであり,これがbranching birth processにおけるinitial birth problemに関連している。伊藤がこれまで解いた平均合成積型の関数方程式の諸拡張を定性的に論ずることとなる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

伊藤 栄明

統計数理研究所

神保 雅一

岐阜大学

西村 和夫

駒澤大学