平成21990)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

2−共研−62

専門分類

7

研究課題名

心理的ストレスと健康に関する統計的研究

フリガナ

代表者氏名

ハヤシ フミ

林 文

ローマ字

所属機関

東洋英和女学院大学

所属部局

人間科学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

現代社会において,社会,文化,心理的要因により受ける心理的ストレス(“心の重み”)の健康影響が少なくないことが指摘されている。本研究はこのような心理的ストレスの人々の健康状態に与える影響のダイナミックスを分析することをめざすものである。本研究では,心理的ストレスを測定するために作成された調査票による実際の調査結果をもとに,調査票の評価・再検討を通して,調査票を完成することを目的とする。


[実施状況]
社会,文化,心理的要因から受ける心理的ストレスが健康状態に影響を与えていると言われている。この影響のダイナミックスを分析することを目指すものであるが,平成2年度は前年に引続き,心理的ストレスを測定するために作成された調査票の検討を進めた。この調査票はアイゼンクによるものを日本語に翻訳したものであり翻訳文の検討が前年までになされ,30名の予備調査である程度の実用可能性がつかめたのである。そこで本件は調査票を印刷し,できるだけ多くのデータを集めることとした。分析ができたのは64名の女子大生の回答についてであり,このほかのデータについては未整理である。今後さらにデータを集め分析を進めなければならない。
[成果]
64名のデータについて分析し,前年の31名のデータと比較したところ,分布の様子などに大きな違いがないことが解った。すなわち,個々の質問への回答状況,および,回答を総合して判定される4つのタイプ分けの分布が,よく似ている。今のところ,大学生など若い年齢で比較的知的レベルの高い対象ではあるが,異なる集団で似た結果が得られたことは,この調査質問が信頼できることを表していると考えられる。質問の複雑さやそれに伴う翻訳文の解りにくさ等が心配されたが,十分使用可能であるといえる。今後一般に対してもデータを集め,分析したい。また,4つのタイプにそれぞれ相当する4つの質問群に対する回答に相関があることが解ったが,これについても,今後検討を進めたい。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

前年度に,ストレスにかかりやすいパーソナリティのテストを日本語に翻訳し,検討を重ねて一応完成した調査票を作成し,実験的な調査データを得られた。また,循環要因の違いによる心理的ストレスの比較のための在米日系人調査は前年度実施できなかったが,本年度は実施される予定である。これらの分析をもとに,ストレスにかかりやすいパーソナリティのテストも加えて,健康状態に与える心理的ストレスを測定するための調査票を完成する。
医学(公衆衛生学)データの統計的分析のために,また,日系人の調査は統計数理研究所の日米の意識の比較研究などとの関連も深く,共同研究の必要がある。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

高倉 節子

東京国際大学

馬場 康維

統計数理研究所

林 知己夫

統計数理研究所

山岡 和枝

帝京大学