平成31991)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

3−共研−44

専門分類

6

研究課題名

地震化学に関する時系列データの解析

フリガナ

代表者氏名

マツモト ノリオ

松本 則夫

ローマ字

所属機関

工業技術院地質調査所

所属部局

地質情報センター

職  名

主任研究官

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

地質調査所で行われている,東海地震の予知を目的とした地下水位のラドン濃度等のデータについて,変動の要因を解析し,地殼変動と結びつく異常値検出の手法を開発する。


前年度までは時系列解析を地下水位データに適用して、水位に対する気圧・潮汐・降雨の影響をあきらかにするとともに、それらの影響を差し引くことによって、" 補正後の水位変化" をもとめ、地震と水位変化との関係を明確にした。
今年度は、いままで行ってきた時系列解析を静岡県中伊豆町姫の湯観測井の地下水ラドン濃度データに適用し、1、ラドン濃度と測定チャンバー内温度・気圧・潮汐・降雨との関係。2、補正後のラドン濃度時系列と地震時系列の関係。をテーマとして研究を行った。
その結果、以下のことがあきらかとなった。1、ラドン濃度と測定チャンバ内温度・潮汐・気圧は相関関係がある。そこで、多変量回帰解析法を用いてそれらのラドン濃度への影響を量的に明らかにした。さらに測定チャンバ内温度等の影響をラドン濃度から差し引くことによって”補正後のラドン濃度”を抽出した。2、1986年から1988年の姫の湯観測井の”補正後のラドン濃度”と地震との関係を調べたところ、2つの地震直後に”補正後のラドン濃度”が急減していることがわかった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

松本則夫、松崎光弘、小鯛桂一、高橋誠、地下水中ラドン濃度に対する自然要因の影響、日本情報地質学会、1991年6月21日
松本則夫、高橋誠、小鯛桂一、地下水中ラドン濃度の時系列解析、地震学会、1991年10月29日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

地質調査所が観測している地下水位・ラドン濃度等のデータから地殼変動あるいは地震に起因する変化を抽出するため,最新の時系列解析理論の適用を検討する。地上水等のデータは1978年より現在まで十数地点から2分毎という膨大なデータとして蓄積されている。さらに気象条件による影響・欠測などにより,データの質が高いとはいえない。時系列解析によってこのようなデータから地震予知に結びつく情報を抽出することが期待できる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

北川 源四郎

統計数理研究所

高橋 誠

地質調査所