平成202008)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

20−共研−2041

分野分類

統計数理研究所内分野分類

f

主要研究分野分類

2

研究課題名

ビジュアルプログラミング環境の統計解析システムにおける実現

フリガナ

代表者氏名

フジワラ タケシ

藤原 丈史

ローマ字

Takeshi Fujiwara

所属機関

東京情報大学

所属部局

総合情報学部環境情報学科

職  名

講師

配分経費

研究費

40千円

旅 費

370千円

研究参加者数

6 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 本研究は統計解析システムにおいてビジュアルプログラミング環境に実現することにより,効率的で,かつ直感的な解析を利用者に提供することが目的である.
 統計解析システムのユーザインタフェースとしては CUI (Character User Interface) と GUI (Graphical User Interface) がある.CUI ではコマンドを入力したり,解析手続きを書いたプログラムを実行するなど文字ベースでシステムとのやり取りを行う.一方 GUI では,メニューやアイコンをマウスでクリックするなどでやり取りを行う.それぞれのユーザインタフェースは一長一短があり,一方が他方を駆逐するものではない.CUIでは定型的な処理や高度な解析を行えるものの,直感的ではなく使いこなすにはある程度時間がかかる.GUIでは直感的に操作が可能であり初心者でも簡単に操作ができるものの,定型的な処理や高度な解析にはあまり向かない.
 そこで本研究では,この CUI と GUI の利点を合わせもったユーザインタフェースであるビジュアル操作環境の実現を目標にした.具体的には,さまざまな統計処理をアイコンを使って表し,それらを GUI 操作でつなぎ合わせることで統計分析を行うのである.また,組み合わせたものをひとつの統計処理として再利用できる仕組みを用意することで,GUI のもつ直感的な操作性と CUI のもつプログラミングとしての自由度を確保できる操作環境を実現できることになる.
 平成19年度についてはビジュアルプログラミング環境のプロトタイプを作成し,その有効性を確認した.この実装においてはソフトウェア開発をはじめ,システム設計に広く用いられている UML (Unified Modeling Language) を統計分野に応用した.具体的には,処理の流れを記述するアクティビティ図を活用した.
 平成20年度については,平成19年度の成果をもとに UML をさらに活用し,オブジェクト図によってオブジェクト(データ)同士の関連を有機的に表し,クラス図によって統計手法を統合的に整理できるような設計を行った.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

(1) 計算機技術と統計解析ソフトウェア-統計解析システムJasp開発の視点から-.中野純司, 山本由和, 小林郁典, 藤原丈史. 日本統計学会誌, 第38巻, 第1号, 2008, 59-69.

(2) Using statistical libraries in different statistical systems. Fujiwara, T., Ziegenhagen, U., Yamamoto, Y., Nakano, J. and Hardle, W.. IASC2008 Proceedings, 2008, 471-476.

(3) 統計解析システムにおけるUMLを活用したビジュアル操作環境. 藤原丈史, 中野純司, 山本由和. 日本計算機統計学会第21回シンポジウム, pp. 27-30, 2007.

(4) Using mathematical expressions in a statistical language. Takeshi Fujiwara, Junji Nakano and Yoshikazu Yamamoto. Computational Statistics and Data Analysis in special issue on "Statistical Algorithms and Software", to appear, 2006.

(5) Parallel Computing in a Statistical System Jasp. Y. Yamamoto, J. Nakano, I. Kobayashi and T. Fujiwara. Proceedings in Computational Statistics 2004, pp. 2003-2010, 2004.

(6) 統計解析システムJasp のユーザインタフェースの拡張について. 山本由和, 中野純司, 小林郁典, 藤原丈史. 2004 年度統計関連学会連合大会, pp. 25-26, 2004.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

Jaspシステム設計方針の検討・2009年1月25-26日・統計数理研究所・4名

Jaspシステム設計方針の検討・2009年3月12-14日・統計数理研究所・4名

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

Erricos Kontogiorgis

University of Cyprus

Philip L.H. Yu

The University of Hong Kong

末永 勝征

鹿児島純心女子短期大学

中野 純司

統計数理研究所

山本 由和

徳島文理大学