平成91997)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

9−共研−33

専門分類

3

研究課題名

視覚的操作時系列解析支援システムの試作

フリガナ

代表者氏名

ナカノ ジュンジ

中野 純司

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計計算開発センター

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

最近の統計解析パッケージには GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)をそなえているものが多いが、それらは旧来のコマンド言語の置き換えにすぎず、それほど使いやすいとはいえないものがほとんどである。そこでわれわれは設計段階からGUIの利点を生かすことを考えたシステムを作成したい。


われわれの作成している時系列解析支援システム TISAS は、統計計算の部分は統計数理研究所で開発された TIMSAC72 Windows 版のプログラムを利用し、すべての操作を GUI(Graphical User Interface) で操作できるようにしたものである。
設計にあたっては GUI の利点を充分に利用できるようにしてあり、統計的にひとまとまりになっている概念をオブジェクトとして画面上に表示し、それをポインティングデバイスで指示すると適用できる操作を選べるようなプルダウンメニューがあらわれ、そのため誤用を少なくできる。
また、それらのオブジェクトの画面上の配置により、解析の履歴の概要および詳細が自由に閲覧できるようになっている。さらにすべての操作はマクロ言語としても表現でき、それにより履歴の記録やシステムの操作性の変更が可能になっている。
本年度はまず、時系列モデルを独立のオブジェクトととして取り扱えるようにして、予測とシミュレーションが行えるようにした。これまでは時系列モデルはデータに付随するように設計されていたが、今回の変更によりデータとモデルを同等に扱うことも可能になった。
同時にいくつかのオブジェクトの見直しも行い、システムの汎用性と信頼性を高めるようにした。その成果として、本システムはこれまでの UNIX オペレーティングシステム上だけではなく、Microsoft Windows (95 / NT) 上でも稼働するようにできた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Yamamoto, Y. and Nakano, J., An object oriented graphical user interface for time series analysis, Bulletin of the International Statistical Institute, 51st session, Contributed papers book 2, pp.449--450, 1997.

山本由和・中野純司、時系列解析システム TISAS の新機能について、日本統計学会、1998 年 7 月 予定

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

上記の方針により時系列解析システムを作成するが、統計解析部分のプログラムとしては、統計数理研究所で開発された MS Windows 版 TIMSAC72 のプログラムを利用する。昨年度の共同研究により、プログラムおよびデータのオブジェクト化、および解析の履歴を中心とするGUIのプロトタイプが完成し、データ操作の機能もある程度使えるようになった。本年はプログラムの完成度を高めるとともに、システムのカスタマイズが視覚的に行えるようにしたい。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

小林 郁典

徳島文理大学

田村 義保

統計数理研究所

山本 由和

徳島文理大学