平成272015)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

27−共研−2062

分野分類

統計数理研究所内分野分類

g

主要研究分野分類

1

研究課題名

確率場データからのクラスター検出とその有意性の判定

フリガナ

代表者氏名

クリキ サトシ

栗木 哲

ローマ字

Kuriki Satoshi

所属機関

統計数理研究所

所属部局

数理・推論研究系

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

54千円

研究参加者数

4 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 Friston, Worsley ら (1994), Ashby (2011) には,脳画像のデータから観測されるクラスターの大きさの,クラスターが存在しないという帰無仮説のもとでの確率分布に関する記述がある.その分布は,VBMデータ解析のための標準的な計算プログラム SPM にも組み込まれ,クラスターのサイズに関する有意性の確認に用いられている.しかしながらその導出は,ロシア(ソ連)の数学者 V. P. Nosko の一連の証明なし論文によるものであり,明らかではない.
 本年度は Adler (1981) の V. P. Nosko に関する記述を頼りに,脳画像が滑らかなガウス確率場であると仮定したときのクラスターサイズの分布を導いた.ただしその証明は,現時点では数学的には厳密なものでない.数学的な厳密化や数値実験による確認,またガウス性を仮定しないときの同種の導出は今後の課題である.

[1] R. Adler (1981). The Geometry of Random Fields, Wiley.
[2] F. G. Ashby (2011). Statistical Analysis of fMRI Data, The MIT Press.
[3] K. J. Friston, K. J. Worsley, R. S. J. Frackowiak, J. C. Mazziotta, and A. C. Evans (1994). Assessing the significance of focal activations using their spatial extent, Human Brain Mapping, 1, 210-220.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

該当なし.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 2015年12月11日(金)に京大病院臨床研究総合センターにおいて,京都大学川口淳准教授,名古屋大学高橋邦彦准教授,総合研究大学院大学 Lu Xiaolei 氏,および統計数理研究所栗木哲教授の4名で,3つの話題についての研究討論を行った.(i) 脳画像データのクラスターサイズの分布 (ii) コンソミックマウス成長曲線の信頼区間の構成 (iii) VBMデータ解析のためのプログラム SPM の使用法

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

川口 淳

京都大学大学院

高橋 邦彦

名古屋大学

Lu Xiaolei

総合研究大学院大学