平成282016)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

28−共研−4405

分野分類

統計数理研究所内分野分類

f

主要研究分野分類

7

研究課題名

学術文献データベースを用いた共著分析とその可視化

重点テーマ

学術文献データ分析の新たな統計科学的アプローチ

フリガナ

代表者氏名

イノウエ カツユキ

井上 雄介

ローマ字

Inoue Katsuyuki

所属機関

琉球大学

所属部局

研究企画室

職  名

主任リサーチアドミニストレーター

配分経費

研究費

40千円

旅 費

325千円

研究参加者数

4 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

【研究目的】
 本研究では,共著関係の構造及び広がり並びに異分野間の連携状況を明らかにし,研究資源を特定のグループに研究資源を配分する(選択と集中型)のが良いか,あるいは,多くのグループに配分(ばらまき型)するのが良いかなどの適切な研究資源配分モデルの作成基盤を構築するために,各研究分野における高インパクトを与える論文の共著関係を分析し,可視化することを目的とした。

【研究成果(経過)の概要】
 上記の目的を達成するために,本研究では,「共著関係の構造及び広がりの可視化」を目指し,以下の 3 ステップで研究をおこなった: (1)分析の対象とする分野及び研究者の選定,(2)対象となる研究者の論文の抽出,(3)論文の共著関係の分析と可視化。
 本研究では, 2010 年から 2014 年の 5 年間に出版された Web of Science に掲載されいてる日本の研究機関を所属とする研究者が著者に含まれている論文を対象とした。論文の分野は, Essential Science Indicators(ESI)で使われている 22 分野(うち 1 分野は Multidisciplinary) とし,今回は,このうち,論文数上位 2 分野,すなわち,「Clinical Medicine」および「Chemistry」を対象とした。これらの論文から,合計被引用数の多い順に 10 名を抽出し,その研究者が「責任著者」である論文を選び,コミュニティーおよび媒介中心性を Gephi 0.8 alpha(解析ソフトウェア)を用いて計算し,可視化をおこなった。
 その結果,Clinical Medicine 分野よりも Chemistry 分野の方がコミュニティー(研究グループ)間の連携が強いことが示された。言い換えると,Clinical Medicine 分野の方が Chemistry 分野よりも他の研究グループとの共著が少ないことが分かった。
 研究グループ間の連携と論文一報あたりの被引用数との相関関係を明らかにし,各研究分野における研究資源の適切な配分モデルの作成基盤の構築につなげることが今後の課題である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

「統計数理研究所重点テーマ 4: 学術文献データ分析の新たな統計科学的アプローチ」がオーガナイズするセッションで『学術文献データベースを用いた共著分析とその可視化』のテーマで発表をおこなった。

1. 統計数理研究所 共同利用研究集会(キックオフ: 2016 年 5 月 25 日)
2. RA 協議会第 2 回年次大会(2016 年 9 月 1 日)
3. 統計数理研究所 共同利用研究集会(成果報告会: 2017 年 2 月 11 日)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究会は開催していないが,共同利用研究集会での発表を通じて,情報交換・情報収集をおこなった。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

昆 健志

琉球大学

村社 敬紀

琉球大学