平成272015)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

27−共研−2033

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

7

研究課題名

日本人の消費者意識に関するコウホート分析

フリガナ

代表者氏名

ナカムラ タカシ

中村 隆

ローマ字

Nakamura Takashi

所属機関

統計数理研究所

所属部局

データ科学研究系

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

17千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究では今年度、日本人の消費者意識の変化を探る前段階として、米国家計の金融商品保有金額と保有率について1989〜2013年までのデータを用い、年齢x時代効果の交互作用を考慮したベイズ型コウホートモデルで分析を行った。

これにより、数学的には交互作用効果の一部と考えられるコウホート効果を、交互作用効果からきちんと分離することができるようになった。また、年齢x時代の交互作用効果のいくつかの時点のパラメータを間引くことにより、交互作用効果のパラメータ数を節約した。このような手順を取り入れることによって、3効果の交互作用効果のいわば濃淡を探り、リーマン・ショックなどのネガティブ・インパクトの年齢効果への影響を確認することができた。

分析の結果をみると、家計の実質資産残高全体ではリーマン・ショックを経て減少しているが、金融資産別に確認すると流動性資産は時代効果が大きくなり、年金準備金はリーマン・ショックの影響は時代効果に現れていないことが示された。

今後の課題として、リーマン・ショックといった突発的なインパクトのほかに金融環境要因や法整備の緩和、税制要因、世代構成、販売チャネルの多様化など時代効果に緩やかに影響を与える要因を識別し、日本の金融資産選択行動分析へのインプリケーションを探っていきたい。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

[1] 山下貴子・中村隆(2016). 交互作用効果を考慮したコウホート分析法による米国家計金融資産選択行動. 同志社大学ディスカッションペーパーシリーズ, DBS-15-01(2016年3月). (http://bs.doshisha.ac.jp/attach/page/BUSINESS-PAGE-JA-53/68155/file/DBS15-01.pdf)

[2] 山下貴子・中村隆(2014). リーマン・ショック後の米国家計金融資産選択行動, 流通科学大学リサーチレター, No.19.

[3] 山下貴子・中村隆(2013). 家計のポートフォリオ選択の動向. 流通科学大学論集(経済・経営編), 25(2), 49-61.

山下貴子・中村隆(2010). 家計の金融資産選択行動2---ベイズ型コウホート分析を用いた日米比較---. 流通科学大学リサーチレター, No.10.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

開催はありませんでした。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

山下 貴子

同志社大学