平成282016)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

28−共研−1033

分野分類

統計数理研究所内分野分類

f

主要研究分野分類

7

研究課題名

処方箋様式変更の後発薬調剤への効果の政策評価

フリガナ

代表者氏名

フルカワ マサカズ

古川 雅一

ローマ字

Furukawa Masakazu

所属機関

東京大学

所属部局

食の安全研究センター

職  名

准教授

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 行動経済学の知見を現実の政策に応用する試みは、現代経済学の大きなテーマのひとつである。人間の行動は、いくつかある選択肢から自分の行動を選ぶ、ということに集約できる場合が多い。たとえば、自動車で通勤するか、電車にするか、または今タバコを吸うか、吸わないか。脳科学や心理学のと融合研究の結果、人間は各々の好みに関わらず、デフォルトとしてあらかじめ設定された選択肢にかなり強い影響を受けることがわかっている。近年、こうした人間の習性を利用した政策研究が行われている。たとえば、ファスト
フード店における健康志向なメニュー選択を促進するために、ハンバーガーのサイドメニューとしてフライドポテトの代わりにサラダをデフォルトに設定する、等である。
 このような政策研究は、学問上新しい。しかしながら、その可能性については、英上院において詳細なレポートが出される等、学問のレベルを超えて現実の政策立案においても注目されている。政策の効果全般については、残念ながら現時点では決定的な結論が出ていない。なぜなら、いまのところ実証研究がほとんどなされていないからである。日本においては、以下に詳しく述べるように、2008年に医師の処方行動のデフォルトを変更するような政策が実施された。こうした政策の実施は国際上非常に珍しく、経済学およ
び公共政策学上貴重なサンプルであると言える。ただし、この政策の効果についての厳密な分析はこれまで行われていない。本研究は、この政策の効果を分析することによって、国際的な政策議論に貢献することを目的とする。
今年度は、昨年から引き続き、この政策が後発薬調剤頻度に与えた効果を計量経済学における政策評価方法を用いて分析した。
る。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

現在、論文作成中である。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

医療政策・経済研究センター 第4回定例研究会
"Impact of a `choice architecture' on medical prescription in Japanese national health insurance system"
2016/9/30 (金) 16:30〜18:00
一橋大学 マーキュリータワー3階 3302室/約20名参加

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

中村 良太

University of York