平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−42

専門分類

5

研究課題名

動物行動のモデルと一般化されたランダムウオーク

フリガナ

代表者氏名

ハラ ヒロアキ

原 啓明

ローマ字

所属機関

東北大学

所属部局

大学院情報科学研究科

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

複雑な動物行動を個体移動(Locomotion)の軌跡でとらえ,その数理モデルを提案する。つまり,個体移動を記述する行動方程式(L)と,その統計分布の時間発展方程式を融合させた「一般化されたランダムウォーク」(GRW)を提案し,このGRWによって動物行動を定式化する。


動物行動のモデルを構築する上で基本的な素過程を外界 (S) の刺激とこの刺激によって生体システム (B) に誘起された応答の関係として解析した。つまり刺激による統計的応答の関係を確率過程として集合SとB間の写像として定式化した。
このモデルでは,誘起された応答は活性化されたBの要素で構成されたクラスターのパターンとして表現される。この活性化されたクラスターのパターンが示す膜電位の時間経化は一般化されたランダムウォークによって興味深い振る舞いを示すことが分かった。特に,Sの刺激が矩形波で現される場合を考えると,視覚系の初期の知覚過程で観測されるメタコントラストの時間経化と同じU字カーブを導出できた。このU字カーブは生体に関する刺激と応答で普遍的に観測されている基本的な振る舞いである。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

S.S. Lee, H. Hara and Y.H. Tamura; Nonlinear Map Model for Dynamics of Learning and Memory. Int. Symp. on NOLTA'95 Las Vegas, USA, Vol.2-2, 1103-1107, (1995)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

統計資料や実験で得られた動物行動に関するデータなどを援用して行動方程式(L)に含まれるポテンシャル関数(U)を決定する。次に,一般化されたランダムウォーク(GRW)の跳躍確率を行動方程式で得られた1次,2次のモーメントで規定する方法を定式化する。このGRWを具体的に解き,動物行動における個体移動のパターンを求める。一方,解析的にGRWで得られた統計分布を動物行動の計算機シミュレーションで検証する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

小幡 常啓

群馬工業高等専門学校

田村 義保

統計数理研究所