平成172005)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

17−共研−2069

専門分類

10

研究課題名

データ解析環境Rの整備と利用

フリガナ

代表者氏名

ナカノ ジュンジ

中野 純司

ローマ字

Nakano Junji

所属機関

統計数理研究所

所属部局

データ科学研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

12 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

データ解析環境Rは統計計算とグラフィックスのための言語・環境である.RはGNUプロジェクトの一つであり,ベル研究所(かつては AT&T,今は Lucent Technology)でJ. Chambersと同僚により開発されたS言語・環境に似ており,Sを別個に実装したものと考えられる.両者の仕様および実装には幾つかの重要な違いがあるが,S用に書かれたコードの多くは変更なしでRでも実行できる.
Rは多様な統計手法 (線形・非線形モデル,古典的統計検定,時系列解析,判別分析,クラスタリング,その他) とグラフィックスを提供し,広汎な拡張が可能である.Sはしばしば統計的手法による研究の手段であるが,R を使えばそうした活動にオープンソースの道から参加できるようになる.
したがって,統計学の利用の裾野が広がっている現在,多くの人にとってRはもっとも安価で有用な現実的な手段と考えられる.しかし,その利用を促進するためには,日本語化や情報提供などの環境の整備が必要である.実はこれまで,多くの人がボランティア的な活動を行っており,それらは大きな成果を上げている.例えば,中間によるRシステムの日本語化,間瀬によるRドキュメントの日本語化,岡田による情報提供サイトの運用,間瀬,岡田,中澤らによるRを利用した統計解析に関する書籍の出版,舟尾によるWeb上での入門情報の整備,中間・中野によるRのスーパーコンピュータ上での並列計算環境の整備などがある程度達成されており,また,現在も進行している.

本研究はこれらの成果を有機的に結合し,新しいアイデアを発展させるために,参加メンバー間のコミュニケーションを盛んにし,また,そのための物理的に集合する場を提供することを目的とする.具体的には,2005年12月9(金),10(土)日にワークショップを開催し,そこで研究成果,実践活動の工夫などを発表し,また,それに関する議論を行った.また,この会議には,Rのコアグループのメンバーのひとり(Simon Urbanek, ATT, USA)を招聘し,最新の情報を講演してもらうとともに、日本でのRに関する活動を理解してもらった.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究集会の概要:
12月9日(金)
Talks by Simon Urbanek (AT&T Research Labs), a member of the R core development team
13:30-14:30 Talk 1:
iPlots - Interactive Graphics for Data Analysis in R
14:45-15:45 Talk 2:
JGR - Java GUI for R and Java/R interfaces
16:00-17:00 Talk 3:
Parallel computing in R - Top Trees models space exploration
12月10日(土)
10:00-10:30 舟尾 暢男 (武田薬品)
R 初心者からみた R 初心者の現況
10:40-11:10 中間 栄治 (COM-ONE)
私的R利用方法
11:20-11:50 岡田 昌史 (筑波大学)
RjpWikiのこれまでとこれから
13:30-14:00 久保 拓弥 (北海道大学)
生態学分野での R の使われかた紹介
14:10-14:40 中澤 港 (群馬大学)
医学統計教育におけるRの利用
14:50-15:20 中野 純司 (統計数理研究所)
統計数理研究所でのR
15:30-16:00 間瀬 茂 (東京工業大学)
  R の S4 クラスとメソッド入門
16:10-16:40 谷村 晋 (長崎大学)
Thematic Cartography with R

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

データ解析環境Rの整備と利用,2005年12月9?10日,統計数理研究所新館2階研修室,30人

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

Simon Urbanek

AT&T Research Labs

岡田 昌史

筑波大学

川喜多 雅則

総合研究大学院大学

久保 拓弥

北海道大学

金 明哲

同志社大学

谷村 晋

長崎大学

中澤 港

群馬大学

中間 栄治

(株)COM-ONE

舟尾 暢男

武田薬品工業

間瀬 茂

東京工業大学

矢野 浩一

総合研究大学院大学